引用元:amazon.co.jp
原題も同じく「Reality Bites」
リアリティ(現実)がバイツ(噛み付く)=「厳しい現実」というニュアンスだろうか
よく出来た原題だけにそのままカタカナで、という判断は正解だろう
学生が社会に出てから失敗や苦い経験をして
「もっと順調に行くと思ったのに」
というニュアンスがよく表現されていると思う
1994年のアメリカ映画
90年代の真ん中、いわゆる時代物だから「今になって観るのはどうなの?」と自虐的にツッコミながら観始めた
最初の15分くらいは
「このグタグタが続くと(最後まで観るのは)厳しいかも」
と思っていたけれど、その後スルスルと話に入っていくことができて、更には(設定は90年代だけど)ほとんど今と変わらないのでは?と思いながら最後まで楽しめた
リレイナ(ウィノナ・ライダー)は大学を卒業してテレビ局に勤めるもなかなか評価されず、自暴自棄になっていたこともありクビになってしまう
大学時代の男友達のトロイ(イーサン・ホーク)も仕事に就けず、リレイナがヴィッキー(ジャニーン・ガラファロー)と住んでいるアパートに、サミー(スティーブ・ザーン)と一緒に転がり込んでくる
リレイナには「ドキュメンタリー制作にかかわりたい」という希望があり、自分たちの共同生活をビデオカメラで撮影していくことにする
ある日、MTVの編集の仕事をしているマイケル(ベン・スティーラー)と車の接触事故を起こしたのをきっかけに、マイケルに共同生活のビデオを見てもらうことになる
ベン・スティーラーの初監督作品
自らの初監督作品に出演するのに「よくもこんなカッコ悪い役を選んだなあ」と感心
華やかな仕事に就いてはいるもののどこか背伸びしてる感じで、如何にも最後にフラれそうな役どころ
それくらいセルフプロデュースもできなければ監督と主演の兼務など務まらないということだろうか
ちなみに90年代映画らしく、リサ・ローブ、U2、ダイナソーJr.など、当時流行っていた曲が聴けるのも楽しい
ナックの「マイ・シャローナ」も(彼らのちょっとした懐メロソングとして?)使われているけれど、さすがに79年の曲には違和感しかない
自分にとってのリアリティ・バイツは?と振り返ってみると
大した自信もなかったし明確な目標も無かったから「鼻をへし折られる」という感覚ではなかったけれど、新入社員の頃に仕事が遅いせいで未処理の書類が机上にどんどん積みあがってしまった時の感覚は今でもよく覚えている
社会の厳しさというよりは自分の能力の問題ながらも「この先何年も働いていくことが出来るのか?」という不安と挫折を味わった
その時は積み(詰み)上がった書類が先輩たちの目に留まって助けてもらえたけれど、今だったらパソコンのフォルダの中に密かに溜まった仕事はS.O.S.を出さない限り助けてもらえないだろう