引用元:Yahoo!映画
日本の県庁所在地は、ほとんど「県で一番大きな街」にある(若干の例外はあれど)
一方でアメリカの州都は、ボストン(マサチューセッツ州)やアトランタ(ジョージア州)の例もあるけれど、大半は割と地味な街
ニューヨークの州都はオルバニーというあまり用事の無い(失礼)ところだし、カリフォルニアの州都はサクラメント
サンフランシスコから、北東に130kmくらいの場所にあって、暮らしやすそうではあるけれど、この街に何があるのか答えられる人は少ないだろう
そんな街の出身、本作の脚本と監督を務めたグレダ・ガーウィグの自伝的な作品
時は2002年、イラク情勢に関するニュースがテレビから流れていた頃
サクラメントに住んでいる高校生クリスティン(シアーシャ・ローナン)は、自ら「レディ・バード」と名乗り、家族や周囲にもそう呼ばせている「ちょっとイタい」女の子
父のラリー(トレイシー・レッツ)はすごく優しいけれどうつ病気味で仕事も不安定、兄(養子)のミゲル(ジョーダン・ロドリゲス)は名門校を卒業しながらも就職できないでいる
看護師の母親マリオン(ローリー・メトカーフ)が孤軍奮闘しているものの家計は苦しく、レディ・バードは他のクラスメイトたちには無い気苦労が絶えなかった
また、家計の重圧からかマリオンはいつもレディ・バードに厳しく、そして口うるさいせいで口論してばかり、骨折したレディ・バードの右腕のギプスには「fuck mum」と書かれている
卒業を控え、母親から執拗に(補助金の出る)地域内の大学を勧められるも、何とかサクラメントを離れ、奨学金を得てニューヨークの大学に行こうと考えていた
レディ・バードの親友ジュリー役をビーニー・フェルドスタインが演じていることで、「ブックスマート」(2019年)と印象が重なる
17-18歳になる女子高生の窒息しそうなほどの自意識と、理想と現実が埋められないジレンマが見事に描かれている
そうした娘のエゴや葛藤に毎日対処しなければならないマリオンにも精神的な余裕は無く、ついつい小言が過ぎるけれど、自分によく似た娘を想う気持ちが本当に痛いほど伝わって来る
先述のビーニー・フェルドスタインの「ブックスマート」はスグに思い出せたけれど、レディ・バードの顔もどこかで観たことがあるなあ、と思いながら最後まで思い出せなかった
調べると「グランド・ブタペスト・ホテル」に出演していた(頬に痣のある店員役)
明日は、再びジェーン・フォンダ出演作をご紹介