引用元:amazon.co.jp
15年前くらい前の話
アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火し、欧州中の空港がほぼ閉鎖され、一週間で約10万便が運休した
アメリカから帰国途中だったメルケル首相はポルトガルに着陸し、ツアー中のホイットニー・ヒューストンはイギリスからアイルランドにフェリーで移動した
当時、勤めていた会社でも上司が欧州出張から帰国できず、同僚も数名足止めを喰らった
タダでさえ忙しいのに、スケジュールも完全に狂ってしまった人たちに同情はしたけれど、ここまで大規模なニュースに巻き込まれてしまうと笑ってしまうというか、覚悟を決めるしかないだろうな、とその後の成り行きを見守っていた
面白かったのは、殆どの人がダメ元で空港に行ったり、部分的に再開される運航に合わせて欧州からアメリカ経由で帰国したりしたこと
自分なら、ホテルに延泊して運航再開まで部屋で過ごすか、近場で遊ぶかしたと思う(結果的には皆が同じくらい遅れて、同じくらいの追加費用をかけて帰国した)けれど、普段同じ環境で似たような価値観で働いていると思っていた人たちの意外な行動に驚くと同時に、「有事には(普段は見えない)人のいろんなことがわかるなあ」とも思った
原題(英題)が 2 yota aamuun/2 Nights till Morning (どうしてこんな邦題に?)
リトアニアに出張で来たフランス人の建築家キャロリーヌ(マリ=ジョゼ・クローズ)
現地での会議が延びてしまい、仕方なくリトアニアに延泊し翌朝の便でパリに戻ることにする
ホテルのバーでパソコンに向かって仕事をしていると、それまで騒がしいと感じていた集団にいた男性に声を掛けられる
その男性はフィンランドから来ていたDJのヤッコ(ミッコ・ノウシアイネン)といい、英語が通じないキャロリーヌに必死で話しかけ、騒がしかったことを謝りつつ一杯奢らせてもらうことに成功する
前半はイライラしてしまうほどキャロリーヌが面倒くさい
英語が話せないのも嘘だし、ヤッコに対して結構な壁を作っておきながら傍を離れず、仕事に対して必要以上なプライドと偏見を持っている
調子が良いと問題ないけれど、少し歯車が狂うと憎まれ口を叩き八つ当たりする
どこかに観たことがあるなと思ったら「誰のせいでもない」で作家の妻役を演じていた
秩序を乱されて少し過剰に嫌な顔をするような役どころがハマリ役なのだろう
身近に居たらできるだけ近づかないでおきたい人物ながら、中盤からはそういう女性だからこそなリアリティが感じられ、ストーリーにすんなり入って行ける
ヤッコのそれなりの事情を抱えていて絶妙な駆け引き(小競り合い?)をしながら惹かれていく
欧州のオトナはこうして恋愛するのか、とも思うし、こうしたエスプリと稚拙は案外紙一重だな、と毒づきながら鑑賞
明日は、有名なキスシーンのある、ヒッチコック作品を紹介します