無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

660. かぞくのくに

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引用元:Yahoo.co.jp

 

2011年の作品

 

 

帰還事業で北朝鮮に行っていた兄が25年振りに日本に帰って来る

 

 

ほぼ実話であり、梁英姫ヤン・ヨンヒ)監督の経験に基づいている

 

 

 

総連(在日本朝鮮人総連合会)の幹部である父の勧めにより、ソンホ(井浦新)は北朝鮮の帰還事業に参加し、日本を離れる

 

北朝鮮で結婚し、家族を持ち、その間日本に戻って来ることは叶わなかった

 

ところが、ソンホに悪性の脳腫瘍が見つかり、北朝鮮では治療に限界があることから(数年の審議を経て)、三か月だけ治療目的の帰国が認められることになる

 

 

久しぶりの再会に、母(宮崎美子)も妹リエ(安藤サクラ)も、そして旧友や、かつての恋人(京野ことみ)も、大喜びでソンホを歓迎する

 

しかし極端に無口なソンホ、そしてソンホの行く先々で常に監視している同士ヤン(ヤン・イクチェン)に気味の悪さと、彼が日本を離れていた年月の長さ、そしてその間彼が住んでいた国の複雑さを感じていた

 

 

そんな中、帰国後の検査で「三か月の滞在期間では治療は難しい」と診断されたばかりにもかかわらず、「明日、帰国せよ」という指令が下る

 

 

 

北朝鮮の帰還事業については以前「キューポラのある街」でも書いた

 

 

日本政府にとっては、戦後「戦勝国」を主張し、扱いにくくなった在日

 

北朝鮮政府にとっては、資金や技術の提供源となり得る在日

 

という両国の思惑の元「理想郷である北朝鮮に帰ろう」と1950年代から始まった事業

 

 

キューポラの街」では、貧しい環境の中で踏ん張って生きている女学生(吉永小百合)の友達家族の決断として、帰還事業がチラと描かれている

 

本作を観たことで(数ある中の一例とはいえ)繋がる部分もあるし、監督が自身や家族の生活を脅かしてまで撮った作品から、過去実際に起きたことや今にも残る影響について認識しておきたいと強く思った

 

 

 

明日は、久しぶりの出張先が舞台の映画をご紹介