引用元:amazon.co.jp
欧州、その中でも特にフランスとイタリアで使われる青の種類の多さ、微妙な色味へのこだわりには感心させられる
スカーフやネクタイだけを見ても、例えば「青」だけでも何(十)種類も存在するし、微かな違いが見栄えを大きく左右する
ちなみにフランス国旗の「青・白・赤」については色味についての規定が無く、大統領がその決定権を持っているという
実際に、2020年にはマクロン大統領が青色の変更を命じている
この作品こそ「いつか観なきゃ」で何年も過ごしてきた代表かもしれない
この作品だけでなく、クシシュトフ・キェシロフスキ監督のトリコロール三部作のどれも観ていなかったのだけれど、特に本作は一作目ということもあるし、推す人も多かった(最近そうでもない?)
金曜の夜から週末にかけて三部作を順番通りに鑑賞したので、レビューも順番通りに書いてみよう
フランス国旗を表すトリコロール(三色)の中で、本作では青(自由)がテーマになっている
夫婦と幼い娘、三人が乗った自家用車が郊外の田舎道で事故を起こしてしまう
「残念ながら、ご主人とお嬢さまは亡くなってしまいました」
病院のベッドの上でそう聞かされた妻のジュリー(ジュリエット・ヴィノシュ)は、夜中こっそり病室を抜け出し、ガラスを割って入った病棟から(目に着いた?)薬瓶に入っている錠剤を全部口にするも、吐き出してしまう
その後退院し、郊外にある自宅のものをすべて処分してしまう
有名な作曲家である夫が依頼されていた、欧州統合の式典に使われる曲の未完成の楽譜までも
そしてジュリーは、ある夜、夫の同僚だった作曲家のオリヴィエ(ブノワ・レジャン)に電話し、自宅に呼び寄せて関係を持ってしまう
郊外からパリに移り暮らしていたジュリーは、ある日オリヴィエがテレビのインンタビューに答えているのを見かける
そこで彼は「(ジュリーが処分した)楽譜を持っており、自分がその曲を完成させようと思う」と発言
そしてテレビ画面には、亡き夫が見知らぬ女性と一緒の写真も公開され、ジュリーは愕然とする
フランスらしさに溢れた作品
自らの感情を大切にするというか主張の貫き方に、欧州他国とは違う、もちろん日本とは大きく異なるものを感じないわけにはいかない作品
フランスが好きな人、特にフランスを偏愛している若い人にはこれ以上ない作品だという気がする
明日は、続編をご紹介