引用元:amazon.co.jp
ヴィム・ヴェンダース監督の作品を観るのはこれで14本目
だから大抵のことにはついていける自信はあるけれど、本作はそんな心配もなく、安心してその世界に浸れる
モントリオール郊外、恋人のサラと暮らす作家のトーマス(ジェームズ・フランコ)は、筆が進まず悶々とした日々を過ごしていた
そんなある雪の日、車で自宅に戻ろうとしていたトーマスは、鳴り出した携帯電話を手に取ろうとした瞬間、目の前に飛び出してきた何かに慌ててブレーキを踏む
ゆっくりと祈るような気持ちで車を降りて前方に回り込むと、そこには呆然と座り込む少年がいた
怪我もなくほっとしたトーマスが、少年の手を引いで家まで送り届けると、母ケイトは息子の姿を見て急に取り乱し、車が停まっている場所に走り出す
誰のせいでもない(普通にトーマスじゃないのか?)事故とはいえ、誰も「仕方ないこと」として済ませることができず、この出来事をずっと抱えたまま生きていく、そしてそれぞれの人生が変わったものになっていく
ケイトの年甲斐もない身勝手さ、偏狭さは、事故の前から?と想像させるけれど、トーマスにとってはやりづらい相手だ(わざわざケイトに会いに行くところが人間の弱さかもしれない)その辺りの「絡みづらい」女性を、シャルロット・ゲンズブールが見事に演じている
それでも皆、前を向こうと(その出来事を頭でも心でも身体でも消化しようと)していて、鑑賞後、心地よい余韻に浸れる