食べ物の好き嫌いはあまりなく、少なくとも食べられないものはない(と思う)
好んで食べないものは、コウヤ豆腐
理由は、(ご想像の通り)スポンジみたいだから
正確に言うと、「子供の頃に、スポンジみたいと思ってしまったから」
まだ出汁の美味しさが理解できなかった頃に、そう思い込んでしまった記憶から抜け出せないでいる
このタイトルを見た時には、
「わざわざ、コウヤ豆腐の映画を作らんでも、、」
と思ったけれど、正しい読みは「タカノ豆腐店の春」
小さな豆腐屋「高野豆腐店」を営む辰雄(藤竜也)は、妻に先立たれ、出戻りの娘・春(麻生久美子)に店を手伝わせている
毎朝、まだ暗いうちから作業を始め、肝心の「にがり」を入れる工程は、必ず自身で行うというこだわりを持っているが、最近は時々息が苦しくなることも多く、薬が手放せない
かかりつけの医師からも、早めの手術を薦められているものの、なかなか決心できないでいる
そんな中、辰雄の商店仲間たちから、「そろそろ春ちゃんに良い相手を」というお節介な声があがり、県内から選りすぐりの候補者たちと、辰雄が面接をすることになる
意地悪な言い方をすれば、昭和感覚の泣ける映画、それが自然に心地よかった
「ありがとう」や「ごめんなさい」、またはそれ以上の感情を伝えなければいけない状況は、昭和も今も変わらないはずなのに、今では半分も満たされていない気がする
この映画の時代設定は「平成が終わりかけの頃」となっているけれど、登場人物たちは皆、(まるで昭和の頃の様に)それを叶えようとする
明日は、「Fuck you !」という台詞が似合う女優が登場する映画をご紹介