引用元:shochiku.co.jp
殆どの監督作品で脚本も行っている木下恵介の1961年の作品
戦地から一人の青年が地元に帰ってくる
足を負傷してしまったその青年は大地主の一人息子、平兵衛(仲代達矢)
ところが、さだ子には出征中の隆(佐田啓二)という恋人がいて、平兵衛にはまったく振り向いてくれない
平兵衛の父の一声で、さだ子の家の農地も取り上げられると、地主と小作人の関係をいいことに、ある夜さだ子を無理矢理手籠めにしてしまう
そして、その日からしばらくして、隆が無事に帰ってくる
事情を知った隆は激怒し、さだ子に「ふたりでここを逃げ出そう」と夜明け前の駆け落ちをさだ子と誓う
しかし家族が被るであろう仕打ちを考え直した隆は、「平兵衛と幸せに暮らしてください」という手紙を残して消えてしまう
その後、平兵衛と結婚したさだ子は、三人の子供を産み育てるも、長男の栄一(田村正和)には「あの屈辱的な夜に身籠ってしまった子」という意識が消えず、愛情を注ぐことができない
そして栄一は、裕福な環境に恵まれながらも、身勝手な振る舞いが止められなくなる
フラメンコのメロディに乗せて日本語で歌われるナレーションが印象的
思い切った手法ながら、違和感もなく効果を発揮している
何よりも屈辱的な想いを抱えながら、妻として、母として暮らし続けるさだ子の人生を描くストーリーが強烈
残念ながら映像が見当たらなかったのでいくつか画像を
左側が長男の栄一(田村正和)
明日は、おそロシアなドキュメンタリー映画を紹介します