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2016年のポーランド映画
本作は「灰とダイヤモンド」のアンジェイ・ワイダ監督の遺作となってしまった
実在の画家、ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキが大戦中に国から酷い扱いを受ける様子を描いた作品
1945年、スターリンがポーランドに侵攻する最中、前衛的な作風で知られている画家のヴワディスワフ・ストゥシェミンスキは、一気に社会主義に傾倒する国家の推奨するリアリズムに沿うことができず自身の主義を貫こうとする
その態度が「反体制的」とみなされ、大学教授の地位を奪われ、作品は美術館から除外され、彼を慕う生徒の作品さえも破壊される
身分を失ってしまった彼は、収入もなく食料の配給さえも絶たれてしまう
本作で描かれる国の主体性の無さに、当時のポーランド(他の東欧諸国も同様だろうけれど)が如何に国家の体を成していないかわかる
芸術家も製作や指導という労働を提供することで生計を立てているけれども、工場や会社で働く人たちと同列に扱えない部分はあって、こういう非常時にどう守っていくのかは現代でさえも難しい問題だと認識させてくれる作品
実際には本作に出てくる生徒のような存在も考慮しなければいけないだろうし、芸術家を名乗ってはいても商業製作に徹している人もいるだろうから、保護する側にはある種の主義や方向性が必要になると思う