無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

397. さがす

引用元:filmarks.com

 

何故か、前年公開された「空白」と印象が重なってしまう作品

 

伊東蒼が重要な役を演じているところや、不器用な父親が主人公であること、胸が締め付けられるようなストーリー等々、実際に共通点も多い

 

しかし、先に「空白」を観てから、「さがす」を観終わっての感想は

 

「全然違う種類の映画だわ」

 

だった

 

 

 

 

智(佐藤二朗)は、一年前に妻を亡くし、中学生の娘・楓(伊東蒼)とふたり、大阪の西成で暮らしている

 

以前経営していた卓球教室も、資金的に行き詰まって手放してしまい、今では日雇い仕事をして何とか凌ぐ毎日

 

ある日、スーパーでお金が20円足りないからと万引きをして捕まった智は、迎えに来た楓のとりなしで何とか解放された帰り道で

 

「今日、指名手配中の連続殺人犯を見た、あいつを捕まえたら懸賞金300万や」と言う

 

それを聞かされた楓は

 

「そんなことアテにせんと、ちゃんと働いて」と半分呆れ、半分怒りながら返す

 

ところがその翌朝、家に智の姿は無く、楓は必死に智を探し回る

 

日雇い労働の現場で聞いてみたところ、名簿を確認した社員が「今日は出勤している」というので、作業場まで行って呼び出したところ、出て来たのは父親ではなく若い男

 

 

 

近年日本で起こった複数のサイキックな殺人事件を下敷きにしたストーリー

 

そういう意味では、先述の「空白」よりも非現実的(でドラマティック)な設定

 

「空白」は、先に重要な出来事を明示した上でストーリーが展開するから、時の経過と共に起こる心境の変化など、細かい描写が胸を打つ作品

 

一方で本作は、話がどう転ぶのかわからない分、最後までハラハラするし、観終わってから「そういえばあのシーンは」という回想も楽しい

 

例えば、20円足りないからと万引きしたシーンなど、「なるほど、そうだったのか」という振り返りも含めて完結する作品

 

www.youtube.com