引用元:amazon.co.jp
2015年の作品
1892年から122年もの長い間、地元の人たちに愛されながらも老朽化や経営難による閉館が決まる
幼馴染のアキラ(本郷奏多)の勧めで、大黒座で働き始めたばかりの明日香(藤原令子)は、映画館の中で謎の老人(ミッキー・カーチス)と出会う
映画好きのアキラは、いつの日か大黒座で上映されるような映画を作るのが夢で、脚本を書こうとしていた
従業員だけでなく、街の人たちからも、閉館に反対する声が上がるも、その人たちをなだめ、閉館に向けて準備を進めて行く女性支配人の藤本(石田えり)にとっても(祖父の代から続いている)大黒座の閉館は胸が締め付けられる思いのすることだった
それぞれの想いを乗せて、いよいよ大黒座は閉館日を迎える
エンドロールでは、新宿ミラノ座、日比谷映画、かもめ座、名古屋ピカデリー、三軒茶屋中央劇場など、2000年以降に閉館した映画館の写真が登場する
本作のストーリーでは、大黒座は閉館を取りやめ(建物は取り壊すものの)リニューアル・オープンされることが決まるが、実在した大黒座は2014年8月31日をもって閉館
日本最古の映画館がこうして閉館し、「現存する最古の映画観」は、新潟県にある「高田世界館」(1911年~、現在は国の登録有形文化財)となっている
歴史溢れる建物が取り壊されてしまうのは残念な話ではあるけれど、安全性や維持費などを考えると、やむを得ないケースもあると理解はできる
しかし映画館一軒(いくつかの制約を乗り越えて)市が買い取ることは出来なかったのだろうか?
「日本で最古の映画観」の称号は、多少の無理をしてでも手放すべきではなかった
ちなみに福山の隣町、尾道にはシネマ尾道というミニシアターがある
昨年末に撮影したもの 映画館のすぐ後ろには海が
この映画館は2008年のスタートながら、元々は1948年から尾道松竹があった場所
当時の尾道には他にも東宝、東映、大映、日活のいわゆる直営店があったらしい
「浜の朝日の嘘つきどもと」の舞台になった福島県南相馬市にある朝日座(1923年のスタート)は、もう日常的な上映は行っていないけれど、有形文化財に指定されいて希望すれば見学や上映会の開催もできる
どうかこれ以上映画館の数が減らないことを願うばかり