引用元:in-syria.net-broadway.com
シリアの首都、ダマスカス
アサド政権と反体制派とISの対立が続く内戦は、ロシアの介入によりアサド政権が優勢になりつつあった
戦地に赴いた夫に代わり、家族の安全を守ろうとするオーム(ヒアム・アッバス)は、皆でアパートの一室に籠っている
隣人のハリマ(ジャマン・アブー・アブード)夫妻は幼い子供を抱えているが、もうこのアパートに残るのも危険だと、今晩にもレバノンに向けて出発するつもりでいた
朝、夫は脱出の手続きのためにアパートを出るが、外に出るや否やスナイパーに撃たれ、地面に倒れる
その様子を、オーム一家のお手伝いをしているデルハニ(ジュリエット・ナヴィス)が偶然ベランダから見ていた
ストーリーを楽しむというよりも、シリアの現実を突きつけるドキュメンタリーを観ている気分になる
「命が最優先」という明確な意識があっても、自身の危険と隣人の命は?など究極の選択を迫られるシーンが多く、観終わってぐったりしている自分に気が付いた
2011年のアラブの春から続くシリア内戦は、シリア政府軍と反体制派や同盟組織によるもので、2022年の時点で死者は46万人を越え、最も難民が発生した戦争と言われている
先述の通り、ロシアがアサド政権を、アメリカやフランスが反体制派を支持、そこにISやクルド人勢力まで参戦し、事態は泥沼化している
戦況は常に変化しているのだろうけれど、本作のような緊張感が断続的に10年以上続けば、精神的に異常をきたさない方が不思議なくらいだろう
明日は、イスラエル映画をご紹介