無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1121. シリアにて

引用元:in-syria.net-broadway.com

 

シリアの首都、ダマスカス

 

アサド政権と反体制派とISの対立が続く内戦は、ロシアの介入によりアサド政権が優勢になりつつあった

 

戦地に赴いた夫に代わり、家族の安全を守ろうとするオーム(ヒアム・アッバス)は、皆でアパートの一室に籠っている

 

隣人のハリマ(ジャマン・アブー・アブード)夫妻は幼い子供を抱えているが、もうこのアパートに残るのも危険だと、今晩にもレバノンに向けて出発するつもりでいた

 

朝、夫は脱出の手続きのためにアパートを出るが、外に出るや否やスナイパーに撃たれ、地面に倒れる

 

その様子を、オーム一家のお手伝いをしているデルハニ(ジュリエット・ナヴィス)が偶然ベランダから見ていた

 

 

 

ストーリーを楽しむというよりも、シリアの現実を突きつけるドキュメンタリーを観ている気分になる

 

「命が最優先」という明確な意識があっても、自身の危険と隣人の命は?など究極の選択を迫られるシーンが多く、観終わってぐったりしている自分に気が付いた

 

 

 

2011年のアラブの春から続くシリア内戦は、シリア政府軍と反体制派や同盟組織によるもので、2022年の時点で死者は46万人を越え、最も難民が発生した戦争と言われている

 

先述の通り、ロシアがアサド政権を、アメリカやフランスが反体制派を支持、そこにISやクルド人勢力まで参戦し、事態は泥沼化している

 

戦況は常に変化しているのだろうけれど、本作のような緊張感が断続的に10年以上続けば、精神的に異常をきたさない方が不思議なくらいだろう

 

 

明日は、イスラエル映画をご紹介

 

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