無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1042. ナッシュビル

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引用元:Yahoo.co.jp

 

1975年のアメリカ映画

 

まさに70年代のアメリカがそのまま描かれているような(もちろん本作のような混沌は大袈裟だろうけれど)作品

 

 

カントリー・ミュージックの聖地、ナッシュビルでの大統領予備選挙中の5日間における熱狂ぶりと、そこに集う様々な人間模様を描いている

 

ベテランのカントリー歌手、病弱な人気シンガー、その夫で妻の面倒を見るのに必死のマネージャー、また次のスターを夢見ているシンガーやファンの兵士、イギリスからやってきた図々しい女性記者、それぞれの欲望が渦巻く(という表現はよくあるけれど、ここまで渦巻いているものはみたことがない)様を、ロバート・アルトマン監督がシニカルに描いている

 

 

ヘンリー・ギブソン演じる、ヘブンというベテランのカントリー歌手のいで立ちや曲調などは、日本人がイメージする「古典的なカントリー」(カントリーそのものに古典的なイメージしかない?)で、ロックの要素を抜いたプレスリーに近いのかもしれない

 

こういうスタイルを追求するミュージシャンが当時のナッシュビルには、プロ・アマ問わず数多く存在していた様子が良くわかる

 

ここから、初期のテイラー・スウィフトをイメージすれば、カントリー・ミュージックの変遷がみられるような気がする

 

もちろん今でもヘブンの様なスタイルは(ナッシュビル以外でも)存在するし、他のジャンルとの融合(オルタナ・カントリーなど)、また今のテイラー・スウィフトの様にもはやカントリーの要素も残していないものまで多様化したカントリーの源泉を、本作で垣間見られるもの嬉しい

 

 

ヘンリー・ギブソンといえば、本作の5年後に「ブルース・ブラザース」で、兄弟を追いかけまわすネオナチ司令官に扮している 

 

 

明日は、ジェームズ・カーン主演作をご紹介