引用元:Yahoo!映画
2002年のアメリカ映画
マイケル・ムーア監督による1999年に起こったコロンバイン高校銃乱射事件に関連するドキュメンタリー
自身も生涯会員であるNRA(全米ライフル協会)の会長の自宅をアポなしで訪れ、かなり誘導的な質問を投げかけるなど、取材方法にはかなり無理があるのだけれど、そもそも勝ち目(?)の無いテーマを題材にはしないだろうし、自信をもってグイグイと聞き込んでいくサマが痛快
「銃による殺人」の原因になるものは何か?
貧困、暴力的な映画やゲーム、他民族との争い
どれをとっても他の国にもあるのに、銃による死亡者数は日本や欧州と比較してアメリカが断然多い
ここで「所持している銃の数」が理由なのかと思ってしまうが、カナダの所持率もかなり高いという話になり、
「結局のところ、よくわからん」ということになってしまう
NRA会長の自宅にお邪魔して不躾な質問を繰り返し(マイケル・ムーアがゲストなのに)途中で退席されてしまうというスッキリしない展開
ちなみにこの会長とは「ベン・ハー」や「十戒」で主演と務めたチャールストン・ヘストン
カナダの話は腑に落ちなかったので後で調べてみると「銃の所持がアメリカ並み」とは言い切れない
【出典:proCon.org(2018)】カッコ内は100人当たりの所有数
1位:アメリカ (120.5)
2位:イエメン (52.8)
3位:セルビア (39.1)
4位:カナダ (34.7)
5位:レバノン (31.9)
6位:オーストリア(30.0)
7位:スイス (27.6)
8位:スウェーデン(23.1)
9位:パキスタン (22.3)
10位:ポルトガル (21.3)
参考:日本 (0.6)
となっている
トップのアメリカは人数以上の所有数となっていて、カナダは上位ではあるけれどアメリカの1/3以下
やはり所有数(率)が問題の根底にあることは間違いなさそう
マイケル・ムーアは、幼い頃からNRAの会員だったのを19歳の時にベトナム戦争の理由に退会したのに、現在は生涯会員になっている
曰く、自分が会長になってNRAを銃の安全な使用を目指す団体にしようとしたところ、会長に立候補するには5年以上会員であるか750ドルを払って生涯会員資格を得ることが条件と知り、生涯会員になっている(しかしその道のりの長さに「それなら映画を作った方が早い」という結論に至った)
本作公開後も毎年のように銃乱射事件を起こしているアメリカ
テキサス州では、銃を所持したまま学校の駐車場にアクセスできるようにしたり、銃を所持したままより広い範囲で行動できるような法改正が進んでいる
自衛目的という考え方はわからなくもないけれど「所持数の多さ、率の高さ」が原因だとは頑なに認めない姿勢が如何にゴールから遠ざかる結果を招いているかを認めない限りこの問題は続くだろう
明日は、くるりが音楽を担当した映画をご紹介