無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

921. 青い体験

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引用元:amazon.co.jp

 

1973年のイタリア映画

 

如何にも70年代イタリアという感じのコミカルなお色気映画

 

原題は「Malizia」= marice(悪意)

 

そういえば昔、malという接頭辞は「悪い」という意味だと習った覚えがある

 

そういえば、感染症のMalariaも、mal + air(悪い空気)から来ているのだろう

 

 

 

 

服地を扱うイグナツィオ(トゥーリ・フェッロ)は、妻と三人の男の子と暮らしていた

 

女好きな夫を厳しく取り締まる妻、という典型的なイタリア人夫婦だったのに、ある日妻が急死してしまう

 

葬儀などの対応に追われて疲れ切った男たちが家に帰ると、若くて美しいアンジェラ(ラウラ・アントネッリ)と名乗る女性が出迎え、家の中は綺麗に掃除され、美味しそうな料理まで準備されていた

 

呆気にとられたイグナツィオがお礼を言いつつも「ところであなたは?」と尋ねると、数日前に生前の妻が依頼した家政婦だった

 

それからくたびれた中年男性と三人の少年たちと家政婦という5人でも生活が始まる

 

掃除に料理に加えて男たちの身の回りのことまで完璧にこなし、しかもまだ幼い三男の母親代わりにもなっていたアンジェラに、イグナツィオはすっかり惹かれてしまう

 

彼にはいまだに頭の上がらない厳しい母親がいて、その了解を得なければならないという高いハードルが待っているにも関わらず、何とか彼女と再婚したいと願うようになる

 

一方で年頃(高校生?)の長男アントニオももちろんアンジェラを好きになり、何とかして近づこうとする

 

そんなギラギラした父と兄を嫌悪しながらも、次男のニーノ(アレッサンドロ・モモ)も複雑な想いをアンジェラに抱くようになり

 

 

 

 

とにかく美しい(しかも気立ての良い)アンジェラに群がる男たちのドタバタをコミカルに、そしてその中で、次男の屈折した想いを巧く描いた作品

 

 

イグナツィオはすっかり禿げ上がった、お腹も出ている中年男性なのだけれど、(素肌に)シャツを着た瞬間、それなりに恰好良くなる

 

こういうところはさすがイタリアだなあと(シャツの出来にも、着こなしにも)感心させられる

 

 

明日は、名作リストによく挙げられるドイツ映画を紹介します

 

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