引用元:amazon.co.jp
1973年のイタリア映画
如何にも70年代イタリアという感じのコミカルなお色気映画
原題は「Malizia」= marice(悪意)
そういえば昔、malという接頭辞は「悪い」という意味だと習った覚えがある
そういえば、感染症のMalariaも、mal + air(悪い空気)から来ているのだろう
服地を扱うイグナツィオ(トゥーリ・フェッロ)は、妻と三人の男の子と暮らしていた
女好きな夫を厳しく取り締まる妻、という典型的なイタリア人夫婦だったのに、ある日妻が急死してしまう
葬儀などの対応に追われて疲れ切った男たちが家に帰ると、若くて美しいアンジェラ(ラウラ・アントネッリ)と名乗る女性が出迎え、家の中は綺麗に掃除され、美味しそうな料理まで準備されていた
呆気にとられたイグナツィオがお礼を言いつつも「ところであなたは?」と尋ねると、数日前に生前の妻が依頼した家政婦だった
それからくたびれた中年男性と三人の少年たちと家政婦という5人でも生活が始まる
掃除に料理に加えて男たちの身の回りのことまで完璧にこなし、しかもまだ幼い三男の母親代わりにもなっていたアンジェラに、イグナツィオはすっかり惹かれてしまう
彼にはいまだに頭の上がらない厳しい母親がいて、その了解を得なければならないという高いハードルが待っているにも関わらず、何とか彼女と再婚したいと願うようになる
一方で年頃(高校生?)の長男アントニオももちろんアンジェラを好きになり、何とかして近づこうとする
そんなギラギラした父と兄を嫌悪しながらも、次男のニーノ(アレッサンドロ・モモ)も複雑な想いをアンジェラに抱くようになり
とにかく美しい(しかも気立ての良い)アンジェラに群がる男たちのドタバタをコミカルに、そしてその中で、次男の屈折した想いを巧く描いた作品
イグナツィオはすっかり禿げ上がった、お腹も出ている中年男性なのだけれど、(素肌に)シャツを着た瞬間、それなりに恰好良くなる
こういうところはさすがイタリアだなあと(シャツの出来にも、着こなしにも)感心させられる
明日は、名作リストによく挙げられるドイツ映画を紹介します