引用元:Yahoo!映画
2001年のフランス映画
原題は「CHAOS」
邦題から想像できる内容通り、と言えばそれまでなのだけれど、想像を遥かに越えて面白かった作品
エレーヌ(カトリーヌ・フロ)は、夫のポール(バンサン・ランドン)と二人暮らし
息子ファブリス(オレリアン・ウィイク)も大学生になり、家を出て生活している
ある夜、夫婦で車を運転していると、数名の男に激しく暴行を加えられている女性が助けを求めてふたりの車に乗り込もうとする
血だらけになりながら車の窓を叩く女性だったが、ポールは咄嗟にドアをロックしてしまう
そして警察に電話しようとするエレーヌを制し、洗車をしに車を走らせる
翌朝、置き去りにした女性のことが頭から離れないエレーヌは、収容された病院に行き、仕事も家事も放り出して女性の看病を始める
女性はノミエ(ラシダ・ブラクニ)という名前で何らかの理由で男性たちに追われていた娼婦
瀕死の重傷を負いしばらくは意識も無かったものの、徐々に回復し意識も取り戻していく
登場する男性が、ことごとくダメ男
夫は料理も掃除もアイロンがけもできず、妻の不在に文句ばかり、何よりも「ここぞ」という時に頼りにならない
息子はイケメンを鼻にかけていて、女性は何でも言うことを聞いてくれる、そして困った時には親が何とかしてくれる、と信じている甘えん坊
と、この親子については呆れるというか「古今東西、まったく男たちは、、」と笑えるレベルだけど、ノミエの実家にいる男性たちについては、(矯正するのに)正直どこから手を付けたら良いのかわからないレベル
映画の中で誇張されている部分もあるのだろうけれど、今の時代でも大して改善されていないのだろうなと想像してしまうくらい、根本的な問題として描かれている
女性の活躍する痛快な映画、というだけにとどまらないところが、先述の「想像を遥かに越えて」の一番の理由
もっと認知度が高くてもおかしくない作品
冒頭、話の展開には影響のないシーンとして、母親が実家から出て来たのを知ったポールは居留守を使ってしまう
そして息子を心配してアパートを訪ねたエレーヌは、彼女と同棲しているファブリスに居留守を使われてしまう
ふたりとも時間を置いて家からでてきたところを(居留守を疑った)母親にしっかり目撃されるのだけれど、国や世代を越えて「東京物語」のような親子関係だな、と少し残念に、また妙に納得もしてしまう
明日は、一番思い入れのあるヴィム・ヴェンダース監督作品を紹介します