無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

731. 幸福な、

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引用元:videomarket.jp

 

2018年の「なら国際映画祭」上映作品

 

 

とある何もない、田舎町に住む母と娘

 

母(高木直子)は離婚してからというもの、すぐに好きな男を見つけるものの、長くは続かず、今度(6人目)は、かなり年下の男に夢中になっている

 

娘(桃奈)は、卒業後も母親が営む店を手伝い、四六時中母親と一緒

 

どうせまたすぐに別れて、親子二人きりの生活に戻れると思いながらも、心中穏やかではない

 

自分(だけ)の母親を奪われてしまうんじゃないか、という恐れから、その男の本当の狙いは自分なのではないか?果ては自分もその男に恋をしてしまったのではないか?と娘の思考は暴走し始める

 

 

 

自身は恋愛体質な割に、娘をペットのように可愛がってきた母親と、異性はおろか母親との接点しか無かった娘

 

どちらかが自立しようとすると相手側がその足を引っ張るという、最悪な依存関係

 

 

洲崎パラダイス 赤信号」に登場する義治(三橋達也)と蔦江(新玉美千代)を思い出してしまった

 

東京で再起を目指しながらも、片方の仕事が回り始めればもう片方が邪魔をするせいで、いつまで経っても暮らし向きはよくならない(当たり前か)

 

ふたりとも貧乏を望んでいるわけではないけれど、それ以上に「置いて行かれる」不安が強く、足を引っ張り合うことで愛情を確認する

 

傍目ほど不幸でもなさそうなこの「ネガティブなふたり」の関係は、「男と女」或いは「母親と娘」という組み合わせが多いのだろう

 

 

 

明日は、台湾のドキュメンタリー映画をご紹介