無人島シネマ

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712. シュウカツ[就職活動]

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引用元:amazon.co.jp

 

「最近の就職活動ってどんなんだろう?」

 

と興味本位で鑑賞(本作は石田衣良の「シューカツ!」とは無関係)

 

4つのショートストーリーのオムニバスということで(複数のケースを知ることができるのは)有難いなあ、と思っていたら、思いの外、参考にするには飛躍した内容

 

「そのままの現実は無いにしても、コレを想起させる要素が、今の就活現場にあるのだろうな」と、気軽に楽しめた

 

 

2015年の作品

 

 

面接会場は無人の会議室、面接官はテレビモニター越しで、顔が下半分しか見えない、しかも想定や常識を超えたリクエストを突きつけられ焦る学生、という一話

 

第二話は、内定と同時に「辞退しません」という誓約書にサインさせようとする企業

 

面接官たちが、最終面接に残った学生を尾行してプライベートを確認、最終面接で学生の問題行動を問い詰めていく第三話

 

そして最終四話では、最終面接前の控室で同席した学生が「内定を俺に譲ってくれ」とあり得ない要求をしてくる

 

 

 

本作に登場するブラック企業は、映画の中の特殊な存在だとしても、実際に際どい要求を学生にしてくる企業はあるし、圧迫面接は(手を変え品を変え)今も存在するだろう

 

そういう意味では、シュウカツとは、そうした「悪いオトナ(会社)」を如何に上手にいなすのか、という術が試されている場とも言える

 

 

 

以前、オフィスで隣り合わせた人事部のお偉いさんは、圧迫面接をすることで有名な人だった

 

コチラには実害はなかったけれど、「彼なりのテクニックなのかな」とか、「圧迫せずに同じ結果は得られないのかな」とか疑問に思っていた

 

お互いが「常識ある会社 / 学生」を求めていながらも、ミスマッチが多いのは、それだけお互いの常識が危ういのか、或いは立場が変われば常識も変わってしまうのか

 

 

就活といえば、ある会社の採用面接で一緒になった六人の学生が悪戦苦闘する様子と、数年経過して当時の異常な状況を振り返る「六人の嘘つきな大学生」という小説も面白かった

 

受験以上に人生を左右する割に、偏差値だけで乗り切ることの出来ない、このイベントは、映画や小説のテーマになり易いのだろうな

 

 

明日は、1996年の大ヒットした邦画をご紹介