引用元:amazon.co.jp
話の内容からして好きそうな作品なのに、予告を観て
「本編観なくてもいいかな?」
という気になってしまい、何年も後回しにしてきた作品(いったい何本後回しにしているのか?)
ベン・アフレックの監督、製作、主演ということでもちろん観応えあり
後回しにしてきたことを後悔しつつ、満足したのは「今が自分にとってのタイミングだったのだろう」と都合の良い解釈をした
2012年のアメリカ映画
79-80年にかけて起こった 「在イラン アメリカ大使館人質事件」でのカナダ政府とCIAによる救出劇を再現したもの
背景としては、米国がずっと支援してきたパフラヴィー国王が「イラン革命」により国外追放(実際には自らエジプトに亡命)し、ホメイニー率いる反体制派によるイラン新政府ができる
追放された国王とその家族や側近たちは、エジプトからモロッコ、バハマ、メキシコと、友好的な国を転々とし、最終的には「癌の治療のため」と称してアメリカに亡命しようとする
当時のカーター大統領は、新政府の反発を懸念してこれに反対するも、親パフラヴィーの側近に説得され「人道的な見地」から入国を認める
しかしこれに新政府は猛烈に反発、学生を中心に市民も抗議デモを起こし、テヘランにあるアメリカ大使館を囲み、事件に至る
大使館が占拠される直前に脱出し、近くのカナダ大使公邸に逃げ込んだ6人のアメリカ大使館員を救出するために、「アルゴ」という題名の架空の映画作品の撮影のためにイランに来たロケ隊にこの6人を仕立てようと試みる
命懸けの脱出にしては何とも心もとない筋書きではあるけれど「他に選択肢もない」という理由で決行する不安感が何ともスリリング
そもそもイラン革命に至った経緯にはアメリカによる介入が大きく影響しているというのに
「この事件の解決に実はCIAが関与していたことが長年伏せられていた」
と、美談かのように語り、その奇抜な救出法を映画にしてしまうところは、如何にもアメリカ、そしてベン・アフレックらしい
善行も数あれど自己の中で破綻していることもあって、印象的には
「プラス300とマイナス250、ネットしてプラス50」
という感じ、、、どうせならプラス50をシンプルに達成できないものか?とお節介を焼いてしまう
この辺りの燃費の悪さもアメリカ人の共感を得たのか(?)、何とアカデミー作品賞に輝いている