無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

705. アンゴウ

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2000年の作品

 

 

妻(高井純子)が運転する車で起こってしまった交通事故

 

それにより幼い二人の娘の命が奪われてしまう

 

妻は助かるも、視力を失ってしまう

 

夫の島(古本恭一)は、タクシー運転手として働きながら入院中の妻の面倒を見ていたが、退院の前夜にある一本の電話を受ける

 

それは図書館の男性職員からの電話で「貸し出し中の本の返却期限が過ぎている」という内容だった

 

「わかりました では明日」

 

と返事をしたところ、本の間から数字を羅列しただけのメモが床に落ちる

 

気になった島はその暗号を読み解くと

 

「イツモノトコロデマッテイマス」

 

という文章になることがわかる

 

 

 

夫を演じた古本恭一の監督

 

静かなトーンで淡々を描かれていくストーリーの中で、妻役の高井純子の表情が何とも印象的

 

事故を起こしてしまった(ましてや娘たちを失ってしまった)負い目を抱える、失明した妻に対して、どこか余所余所しく接してしまう夫

 

同じことが自分に起こった場合に(実際どうなるかは別として)「そうなるだろうなあ」と思わせるほどに自然な反応として描かれている

 

複雑なストーリーではないけれど、一回の鑑賞では消化不良もあるし、近いうちに観直したい作品

 

 

明日は、中国本土と香港の関係を描いた映画を紹介します