無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

704. 神聖なる一族 24人の娘たち

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引用元:amazon.co.jp


2012年のロシア映画

 

 

マリ・エル共和国

 

500年間独自の言語と文化、自然崇拝と民間伝承による生活を維持してきた、ロシア連邦の中でも極めて特異なエリア

 

地図で言うとココ ↓

 

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23,300m2秋田県の倍くらい)の面積に、約68万人(高知県とおなじくらい)が住んでいる

 

そのウチ、ロシア人が48%、次いでマリ人が43%、残り9%をタタール人やチュヴァシ人などが占めている

 

 

 

本作は実話ではなく、マリ人に伝わる説話を映画にしたもの

 

名前が「O」から始まる24人の娘の話

 

醜い森の精霊に夫が目をつけられ、かけられた呪文に苦しむオロプチー

 

オーニャは浮気を確認するために(友人にそそのかされ)夫の股間の匂いを嗅ぎに行き

 

豊満な体系を手に入れるために、身体を拭くおまじないをするオカナイ

 

理想の夫を見つける目を養うために、キノコの形を熱心に調べているオシュレーチェ

 

などなど、どれも長閑でちょっとエロティックな話

 

 

観る前は、少数民族の暮らしを克明に描いたドキュメンタリー的なものを想像していたけれど、いい意味で「客観的な視点はゼロ」な映画

 

誰かを批判しているわけでもなく、特に教訓めいたものがあるわけでもなく、無責任に言い放している感じが(映画として)成功している

 

 

コンプライアンス的な考えが進み、民俗学的なものは肩身が狭い時代ではあるけれど、こういう作品に触れながら(時々議論して)バランスをとっていくのが健全な気がする

 

 

明日は、交通事故について描いた日本映画を紹介します