無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

588. 寝ずの番

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引用元:amazon.co.jp

 

2006年の作品

 

監督はマキノ雅彦津川雅彦

 

中島らもの小説が原作

 

だから(?)終始下ネタのオンパレード

 

 

上方落語の重鎮、橋鶴(長門裕之)は余命僅か

 

最期に思い残すことは?

 

と弟子たちに聞かれ

 

「そそが見たい」と

 

さすがは芸人、死に間際までそんなことを考えているのかと弟子たちは感心するやら呆れるやら

 

妻帯者である弟子の橋太(中井貴一)の妻茂子(木村佳乃)に白羽の矢が立つ

 

恐妻家の橋太は恐る恐るこの重要なミッションを告げるも、茂子はお世話になった師匠の最期のリクエストならと病院に駆け付け、スカートを捲し上げて橋鶴に「そそ」を見せる

 

その三分後、橋鶴は亡くなる

 

 

 

弟子たちは「師匠もかならずやそれを望むはず」と通夜の間も無礼講

 

生前の師匠の逸話を互いに披露して盛り上がり、最後には師匠の両脇を抱えて皆でカンカン踊りする

 

 

 

 

 個人的な中島らもの印象といえば朝日新聞日曜版の「明るい悩み相談室」と「啓蒙かまぼこ新聞」の「ごぼてん」という漫画

 

まだサブカルというような呼び方も無かった当時、まともな社会人になることに対してぼんやりした抵抗感を持っていた学生時代に、自己啓発的なアドバイスでもなく、かといって反体制でもなく、社会の中で緩くやり過ごす術を教わった

 

マイ・ヒーローではないけれど、一番共感できるオトナだった気がする

 

小説(特に長編)になると普段の漫画の面白さが(余所行きにかしこまることで)半減する印象があったせいか、小説家としてよりも漫画家或いはエッセイスト、たまに短編小説家というイメージ

 

落語好きとも知らなかったし本作も読んだことがなかったけれど、下ネタで最後まで押し切るところはさすが 

 

 

 

明日は、南アフリカ共和国が舞台の映画をご紹介