引用元:Yahoo.co.jp
プロスペル・メリメの小説「カルメン」(1845年)の著作権が切れたことで盟友アンヌ=マリー・ミエヴィルが脚本を担当
とはいえ「カルメン」が原作とは言えない(言う必要もないくらいに)設定も時代も時系列も、そしてもちろんそれ以上の詳細も小説とは異なる
ゴダール本人が元映画監督役で出演している
その元映画監督である男は、身体的にはほぼ回復しているのに入院し続け、医師からも退院を求められている
そんな彼の元に姪のカルメンX(マルーシュカ・デートメルス)がやってきて「いま撮影している映画の試写をするために叔父さんのアパートを貸してほしい」という
カルメンは仲間たちと銀行強盗に入り、銃撃戦を繰り広げる
カルメンは難を逃れるも、銀行の警備員ジョセフ(ジャック・ボナフェ)と揉み合いになり、そして揉み合っているうちに「一緒に逃げよう」となる
という風に突飛な展開で、現実なのか空想なのか、或いは劇中劇なのか、途中からついて行く気も薄れて来る
その割に、他のゴダール作品よりも個人的には「受け入れ易い」作品
映像がキレイなのも大きな要因だったと思う
彼の作品を観る度に思うのだけれど、登場人物の突飛な言動はまったくのでたらめではないことからすると、彼は実生活でこういったを発言したり行動したりしないにしても時々思いつくんだろうな
自分には思いもよらない、とまでは言わないけれど、こうした感覚を娯楽作品でシェアしようとする発想自体が新鮮
そういう意味では自分なりのゴダール作品との接し方がやっと見えてきた作品になるのかもしれない
結局、存命中に彼の作品の理解を深めることはできなかったけれど、これからの楽しみにしたい