無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

609. マダム

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引用元:madamefilm.com

 

2019年のスイス映画

 

これまで合作でのスイス映画は「そして、デブノーの森へ」、「リスボンに誘われて」、「運命は踊る」そして「カルメンという名の女」など観てきたけれど、スイス単独での制作映画は初めて

 

 

ステファン・リートファウザー監督本人と、90歳になる彼の祖父キャロライン

 

スイスで暮らす、彼の幼少の頃からの実際の映像が(彼の父も映画監督を目指していたこともあって)使われている

 

キャロラインお祖母ちゃんは、封建的な男性社会の中で、結婚を強制され出産を経験するも、「好きでも無い男の子供を産んで育児のサポートも得られないなんて」と、さっさと離婚して実業家(コルセットの販売)の道を歩むことに

 

ところが、当時の男性社会の中で競争していくには(眼に見える妨害、見えない中傷など)さまざまな苦境を乗り越えなければならなかった

 

そうした「逞しい」お祖母ちゃんが大好きなステファンだったが、彼には自分が同性愛者だという自覚があり、大好きなお祖母ちゃんを悲しませたくないことから大いに悩む

 

そしてついに家族に告白するに至る過程、その後のお祖母ちゃんの反応が収められている

 

 

 

世代のギャップもあり、キャロラインは、ステファンがゲイであることに抵抗を示すも、かつて自分がマイノリティとして社会と闘ってきた道を、可愛い孫息子も進もうとしていることを理解する

 

 

年老いても自分の感覚を修正できるキャロラインが、最高にカッコいい

 

「教養は持ち運べる」

 

「学んだことは消えない」

 

などという格言的な台詞は、(学んだことが消えてしまう)自分には耳が痛いけれど、消えたら再び学べば良いくらいの感覚で、キャロラインを見習いたい

 

 

 

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