引用元:madamefilm.com
2019年のスイス映画
これまで合作でのスイス映画は「そして、デブノーの森へ」、「リスボンに誘われて」、「運命は踊る」そして「カルメンという名の女」など観てきたけれど、スイス単独での制作映画は初めて
ステファン・リートファウザー監督本人と、90歳になる彼の祖父キャロライン
スイスで暮らす、彼の幼少の頃からの実際の映像が(彼の父も映画監督を目指していたこともあって)使われている
キャロラインお祖母ちゃんは、封建的な男性社会の中で、結婚を強制され出産を経験するも、「好きでも無い男の子供を産んで育児のサポートも得られないなんて」と、さっさと離婚して実業家(コルセットの販売)の道を歩むことに
ところが、当時の男性社会の中で競争していくには(眼に見える妨害、見えない中傷など)さまざまな苦境を乗り越えなければならなかった
そうした「逞しい」お祖母ちゃんが大好きなステファンだったが、彼には自分が同性愛者だという自覚があり、大好きなお祖母ちゃんを悲しませたくないことから大いに悩む
そしてついに家族に告白するに至る過程、その後のお祖母ちゃんの反応が収められている
世代のギャップもあり、キャロラインは、ステファンがゲイであることに抵抗を示すも、かつて自分がマイノリティとして社会と闘ってきた道を、可愛い孫息子も進もうとしていることを理解する
年老いても自分の感覚を修正できるキャロラインが、最高にカッコいい
「教養は持ち運べる」
「学んだことは消えない」
などという格言的な台詞は、(学んだことが消えてしまう)自分には耳が痛いけれど、消えたら再び学べば良いくらいの感覚で、キャロラインを見習いたい
明日は、「温泉と言えば」思い浮かぶ、アレの映画をご紹介