無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

215. アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン

f:id:desertislandmovie:20211030231040j:plain

引用元:eiga.com

 

1972年にロスのバプティスト教会で収録されたライブ

 

アルバムでは聴いたことがあるけれど、映像はずっと公開されていなかった

 

念願のライブ映像を映画作品として観られるのを楽しみにしていたのに、不覚にも緊急事態宣言だとかスケジュールのせいで劇場公開中に行きそびれてしまった

 

「あー、やってしまった、残念、、」

 

と落胆していたところ、日頃の行いだろうか幸運にもアンコール上映を観ることができた

 

 

 

教会のキャパシティは300人(何て幸運な人たち!)くらいだろうか、南カリフォルニア・コミュニティ・クワイアに鉄壁のバンド(オルガンの他にギターにコーネル・デュプリー、ベースにチャック・レイニー、そしてドラムはバーナード・パーディーという、いづれもお気に入りの名奏者)

 

教会で歌うゴスペルとあってメインはあくまでも歌とコーラス、演奏もピアノ或いはオルガンが主体で、そのバックに凄腕ミュージシャンを揃えているのは(見せ場が無さ過ぎて)勿体ないことこの上ないけれど、、

 

ちなみにDay2の観客の中にはストーンズのミックとチャーリーの姿も見える

 

 

「こんな狭い会場で、こういう人たちと録音されていたんだ」という楽しい確認作業ができたのが何よりも嬉しい

 

またアレサの振る舞いが(ソロで熱唱するシーンは圧倒的な存在感なのだけれど)曲の合間などではおとなしく、彼女の人柄を感じさせるところも微笑ましかった

 

 

1972年はアレサが30歳の年

 

「Think」や「Respect」そして「Chain of Fools」など多くのヒットナンバーは60年代にリリースされているから既にソウルの女王と呼ばれていた頃

 

サム・クックの時代(といっても僅か十数年前)には、教会関係者からはソウル・ミュージックは世俗的なものとして見られていて、教会での活動と(ソウルのレコードをリリースするなどの)両立は難しいとされていた

 

ソウル・ミュージックを作った男、と言われるレイー・チャールズも初期のコーラス・メンバーのひとりに(ソウルを歌うことはキリスト教の信仰心に背く行為なのではないかと)逃げられている

 

こうした経緯からすると、アレサのようにゴスペルをルーツに持ち、しかも本作の様に継続して教会で歌いながらもソウル・シンガーとして活動できたのは非常にラッキーなことだろうし、それはサム・クックレイ・チャールズといった先駆者たちの苦労の上に成り立つものなのだろう

 

 

↓ の予告では伝わらないくらいのアレアの熱唱を、劇場の椅子におとなしく座って聴いているという状況は拷問のようでもあったけれど、それでも劇場で観られ(聴け)て本当に良かった

 

 

ちなみに見逃してしまった本作を観られたのは日頃の行いではもちろんなくて、ジェニファー・ハドソンがアレサを演じる「リスペクト」が11月5日から公開されるのに合わせて渋谷Bunkamuraにてアンコール上映されたもの

 

この勢いで観に行った「リスペクト」のレビューも近いうちに

 

www.youtube.com