無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

584. 手紙は憶えている

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引用元:asmik-ace.co.jp

 

2015年のカナダ・ドイツ映画

 

公開当時、劇場で観ようとスケジュールを調整している間に見逃してしまった作品

 

 

ようやく今回観て

 

「劇場で観たかったーーー」

 

と激しく後悔した

 

 

 

ニューヨークの老人介護施設で生活しているゼブ(クリストファー・プラマー)は90歳

 

最愛の妻ルースが亡くなってからは、得意のピアノを弾くこともなくなり、ふさぎ込むことが多い毎日

 

認知症もかなり進行し、「ルースはどこ?」と施設の職員に聞くこともある

 

ある日、施設で仲良くしている友人のマックス(カーティン・ランドー)から手紙を託される

 

ゼブとマックスはアウシュビッツの生還者で、彼らの家族を殺したナチの兵士に復讐するために、兵士が偽名を使って暮らしていることや、その名前で該当する人物が4名存在すること、そしてその4名の住所などの情報がそこには記されていた

 

今はルディ・コランダーという偽名で暮らしている、元ナチ兵士オットー・ヴァリッシュに復讐するため、身体が悪く外出が叶わないマックスの思いも一緒に、ゼブはひとりで施設を抜け出す

 

1人目のルディ・コランダーが住んでいるというクリーブランドまで電車で向かうも、うたた寝から目覚めたくらいで「自分が今どうして電車に乗っているのか」を忘れてしまい、ルースの姿を追い求めてしまう有様

 

二度と忘れないように、手首に「手紙を見ること」と書いて、都度ミッションを確認しながらの旅を続ける

 

 

 

衝撃のラスト5分

 

というキャッチコピーながら、気が付けば全意識を集中して観た時間はもっと長かった

 

観終わってすぐ、ラスト20分まで戻って観直した

 

書きたいことがネタバレになってしまうので「是非ご覧ください」としか言えないのが苦しい

 

 

ナチの残党を追うストーリー、という点で、ヒッチコックの「汚名」と比較すると、撮影された時代も、テーマに対するアプローチも、掘り下げ度合いもかなり異なる

 

だからこそ、戦争や、ナチという組織について考えるというよりも、この二作品の違い(振れ幅)から、時代背景や映画監督の撮影テクニックについて、いろいろと感じ取れるものがある気がする

 

 

 

明日は、再びの函館映画を紹介します