無人島シネマ

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194. マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

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引用元:映画.com

 

2012年のイギリス映画

 

伝記映画は、主人公にどれくらい似ているかというよりも(本人ではない役者が)演じている感じを意識するかしないか、が大事だと思う

 

今まで何作も観てきた中でも(内容はともかく)主役の演じている感が強すぎてストーリーに入り込めない伝記映画もいくつかあった

 

その点、本作のメリル・ストリープはベストの中のひとつだろう

 

メリル・ストリープだと意識しないで最後まで観られるのは、さすが

 

 

 

マーガレット・サッチャー

 

1979年から1990年という「イギリスが最も不安定で最もエキサイティングだった」12年

 

ちなみにセックス・ピストルズの「ゴッド・セイブ・ザ・クウィーン」の二年後に就任し、バンドエイドの「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」の数か月後に退任していると言い替えればわかり易い(?)

 

 

失業問題、IRAによるテロへの対応、香港返還、いくつかの大きな決断には問題があったし、支持率を回復させた1982年のフォークランド紛争での判断も今となっては(あくまでも当時のイギリスとしての正解)どうかと思う

 

それでも当時のイギリスには絶対的に必要な人だったと思う

 

サッチャーは、ある意味いくつかの偶然が重なって首相に就任した人でもあるし、フォークランド紛争でも、それまでの軍事関連に関わるポスト経験がゼロだっただけに、知見の無さを受け止め、軍事的な判断を自制したことで政府と軍の良好な関係を築けたという

 

一方で国民の生活を考える際には、無条件に優遇ではなく国民にも 考えること、努力すること を望んだ

 

これも彼女が嫌われた要因だろうけれど、そもそも嫌われることを恐れていなかったのが、彼女の一番の強みでもあった

 

 

保身に走る側近たちの中で(嫌われても構わないという)サッチャーが孤立する様子と、そんな彼女を(愚かな夫を演じていたとされる)デニス・サッチャーがサポートする様子が理想の夫婦像のひとつとして描かれている

 

ウィンストン・チャーチル」と比較して観るのも面白い

 

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