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中国のある家庭が、国民党と共産党の内戦が続く1940年代、50年代、そして文革で揺れる60年代という激動の時代に翻弄されながら、逞しく生き抜く姿を描いた131分
本国では、共産主義に批判的な内容だとして上映禁止となっているけれど、それだけリアリティを追求した結果なのだろう
大きな屋敷に、両親と美しい妻チアチェン(コン・リー)、そして可愛い娘と暮らしているフークイ(グォ・ヨウ)
毎晩、博打に出掛けては負け、二人目の子を身籠った妻に「もう行かない」と約束しておきながら、やめられないでいた
ついには、担保である屋敷の全額分を負けてしまい、前からフークイの屋敷を狙っていた龍二に乗っ取られてしまい、チアチェンは娘を連れて逃げ出し、屋敷を失ったことに怒り狂った父は悶死、母もショックで倒れてしまう
ここまできてやっと賭博をやめた(というかその資金も無い)ことを聞いたチアチェンは、娘と出産した長男のヨウチンを連れて戻ってくる
しかし、娘は何日も病気で苦しんだ結果、喋ることができなくなっていた
フークイは、これからは真面目に働いて家族を養っていこうと、(仕事を始めるための金を借りに)龍二に会いに、かつての自宅に行く
ところが、龍二が金を貸すことを渋り、代わりに(フークイが得意だった)影絵芝居の道具を貸し与える
そしてフークイは、かつて龍二の仲間だった一座と影絵芝居の巡業に出る
監督は「初恋のきた道」、「あの子を探して」そして「単騎、千里を走る。」のチャン・イーモウ
本作から約20年後に、再びコン・リーを起用して「妻への家路」を撮ったことからも、本作に大きな手応えがあったことを窺わせる
話はそれるけれど、チャン・イーモウ作品には「嫌なことは嫌だ」ときっぱり主張してオトナに対抗する男の子がよく描かれている
とても微笑ましいけれど、「これは体制に反抗している比喩なのかな」と想像したりもする
1940年代から1960年代という、長い中国の歴史の中でも特別に揺れ動いた時代だけに、圧倒的なスケール感とドラマ性を感じる
どの家庭にも映画が作れそうな出来事が連続した、濃密な(という表現では失礼な程に大変な)時代だったのだろう
冒頭に131分と書いたけれど、3時間くらいの長尺で堪能したい程の内容
明日は、成瀬巳喜男作品をご紹介