引用元:toei-video.co.jp
生命や豊かさを導くとされる蛇が、母性や女性らしさをイメージさせるのか、日本の昔話だけでなく、東洋の神話や民間伝承の中には、蛇から人間、また人間から蛇への変身する女性が登場する
ギリシャ神話のラミアー、古代中国神話の女禍、マーメイドの伝承とも結びつけられるフランスのメリュジーヌなど、神様だったり、妖精だったり、化け物だったりの違いはあれど、それらの姿は人頭蛇身の女性だ
そして、日本の人頭蛇身といえば、もちろん「蛇女」
時は明治の初め
馬車で移動する地主の大沼長兵衛(河津清三郎)を追いながら、必死で頼み込むも叶わず、そのまま死んでしまうところから話が始まる
時は明治初頭、北陸の海岸沿いの片田舎で、小作人たちはやせ細った土地を必死に耕すも、すべて大沼家一族に吸い上げられ、暮らしは一向に良くならない
弥助に線香をあげた長兵衛は、家長を失ってしまった妻のすえと、娘のあさに向かって「借金が残っているのだから、お前たちはこれからウチの屋敷で働くこと」と言い、翌日に村の者を使って、一家が住んでいたボロ家を取り壊してしまう
翌日から他の使用人以上に厳しく、早朝から夜遅くまでコキ使われる親子だったが、ある日、屋敷に蛇が出る
「縁起でもない」と、長兵衛が使用人たちに処分させとうとしていたところ、すえは「可哀想だから」と助けようとする
ところが、すえの行為は長兵衛の癪に障り、突き飛ばされた拍子に頭を強く打ち、死亡する
そして娘のあさも、長兵衛の息子武雄(山城新伍)に乱暴されたことに絶望し、自ら命を絶ってしまう
その後、武雄は結婚し、屋敷に嫁を迎えて幸せに暮らすようになるも、その頃から武雄も長兵衛もそしてその妻(根岸明美)も、蛇の亡霊に怯えるように
地方の民話をそのまま映画にしたような話で、特別な展開もないけれど、たまにはこうした素直なストーリーの作品を観るのも新鮮
亡霊の肌にウロコが付いている様子や、登場の際のBGMにテルミンを使用していたりという演出も効果的(公開当時も、こうした演出で話題になったりしたのだろうか?)
明日は、「隣人トラブルは万国共通なんだな」と実感する作品をご紹介