引用元:amazon.co.jp
庄司薫の同名小説が原作
日比谷高校に通う薫くん(岡田裕介)は東大法学部を受験するだったのに、安田講堂事件などの影響で入試が中止になってしまう
おまけに(?)廊下に立てかけてあったスキーのストックに足を引っかけて爪が剥がれてしまうし、愛犬は死んでしまうし、更には香港風邪をこじらせて自宅で塞ぎ込んでいた
そんな時、話し相手になって欲しかった、幼馴染と彼女の中間な存在の由美(森和代)に電話してみるも会話も弾まず、由美の機嫌の悪い時の口癖「舌を噛んで死んじゃいたい」まで飛び出してしまう
という感じで、とことんツイてない受験生の苦悩をコミカルに描いた青春映画
とはいえ薫くんは、京大や一ツ橋を受験するでもなく、他の何かに打ち込むでもなく、あらゆる困難から「逃げて逃げて逃げまくる」方法を選択しようとする
薫くんの回りくどい独り言のような台詞が、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」の影響を受けているという指摘もあるらしく、言われてみればなるほどではある
正確に表現するなら、「野崎孝の翻訳による言い回し」なのかと思う(10代で初めて読んだのが彼の翻訳だったけれど、大いに違和感があった)
学生運動の様子が(映画の大道具の様に)話の展開の脇に存在しているけれど、当時の学生が皆熱心に活動していたわけではないというリアルな様子も伝わってくるし、薫くん以外の登場人物の台詞も(言い回しが特徴的なだけでなく)時代を反映していて面白い
ふたりが東京の夜景(ネオンサイン)を見ながら、企業名を読み上げるシーンも印象的(今は存在しない企業も、、)またふたりのファッションも、街並みも興味深く、ずっと注目しながら鑑賞してしまった
明日は、久しぶりにビル・マーレイ出演作を紹介します