無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

978. ウィンターズ・ボーン

引用元:amazon.co.jp

 

カントリー音楽が好きでよく聴くということもあって、ヒルビリーという言葉には良い印象しかなかった

 

ヒルビリーとは、19世紀にアパラチア山脈南部の痩せた土地にやってきた移民、スコッチ・アイリッシュが好んだ音楽

 

ところが音楽だけではなく、彼ら自身もヒルビリーと呼ばれ、またそれが「田舎っぺ」的な蔑称でもあったらしく、音楽の名称はやがてカントリー(&ウェスタン)と呼ばれる様になる

 

彼らは自らが演奏する音楽をヒルビリーと呼ぶことはなく、「アパラチアン・ミュージック」とか「アパラチアン・フォークソング」などと呼んでいたという

 

カントリーが好きでよく聴くと言っておきながら、これまでアパラチアン・ミュージックを直接聴いたことはなく、それに影響されたカントリー歌手(ロレッタ・リンとか)などしか知らなかった(ちなみにロカビリーは、Rock'n Rollとヒルビリーから生まれた音楽)

 

彼らヒルビリーは、キリスト教徒の白人ながら限られた姓の人たちが血縁と姻戚関係によって強く結びつき、国や州の法律よりも閉鎖的な集団の掟を優先するという特殊な、そして他の民族とはなるべく関わらない生活を送るという

 

 

 

 

本作は、ミズーリ州南部のオザーク高原に住むヒルビリーの話

 

 

17歳のリー(ジェニファー・ローレンス)は、病弱な母と手のかかる幼いふたりの兄弟の面倒をひとりでみている

 

父親は麻薬の密造で逮捕され、保釈されるも何処かに姿を消してしまった

 

ある日、リーの家に保安官がやって来て「あなたの父親は保釈時にこの家と土地を担保にしているから、次の裁判に彼が出廷しないと家と土地は没収されます」と告げる

 

そうなってしまうと、家族は今の最低限の生活さえ維持できなくなるどころか、生きていけないと、リーは親戚や知り合いに父親の居場所を聞いて回る

 

ところが、リーの行動は一族にとって非常にまずものだったらしく、親戚の女たちによってリーは半殺しのリンチにされる

 

この時点でリーは、父親が保釈された理由は一族の掟を破った(都合の悪いことを喋った)のだと確信する

 

フィクションではあるけれど、特殊な集団生活を営むヒルビリーについてもっと知りたいと思わせてくれた

 

 

明日は、音楽もグッとくる映画をご紹介

 

www.youtube.com