無人島シネマ

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458. ゴッドファーザー PARTⅡ

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引用元:filmarks.com

 

前作」からわずか二年で公開された続編

 

前作を観終わると自動的に本作を観てしまうので、結果として同じ回数鑑賞している(二作品を観るのに6時間半かかるというのに)

 

続編共にアカデミー作品賞を獲った(史上唯一)記録は伊達じゃない

 

 

 

「現在」と「過去」の二部構成になっていて、ヴィトー(マーロン・ブランド)の後を継いだマイケル (アル・パチーノ)がドンとして成長すると同時に苦悩する「現在」と、幼少のヴィトー(ロバート・デ・ニーロ)がシチリア島からニューヨークに来てのし上がっていく「過去」が交差しながら描かれていく

  

<現在> ニューヨーク5大ファミリーのドンたちを暗殺し、より大きな権力をもったコルレオーネ一家をヴィトーから継いだマイケルは、カジノビジネスにシフトすべく拠点をネバダに移していた

 

レイク・タホの湖岸に建てた豪華な邸宅では、息子アンソニーカソリック教徒になる儀式が盛大に行われる中、ニューヨークの縄張りをクレメンザから受け継いだペンタンジェリもその式に参加し、マイケルにその縄張りが脅かされていると助けを求める

 

聞けば、自分と同じように「クレメンザから縄張りを継承した」と主張するロサト兄弟との争いが絶えないという

 

しかし、ロサト兄弟の後ろ盾には、亡くなった父と盟友だったロス(リー・ストラスバーグ)が存在することから、積極的に仲介したくないマイケルは、当面我慢するようペンタンジェリに伝える

 

 

しかしその夜、寝室で妻ケイ(ダイアン・キートン)と寛いでいたところ、窓の外から激しく銃撃されてしまう

 

間一髪でベッドの脇に逃げ込み、銃弾から逃れたマイケルは(この襲撃は)ニューヨークの件に起因すること、また身内の誰かが襲撃に関与していることを嗅ぎ取り、すぐさまロスのいるマイアミに飛ぶ

 

 

 

<過去> それから半世紀以上遡ったシチリア島コルレオーネ村

 

9歳になるヴィトー少年は、父親が地元マフィアのボス、ドン・チッチオに殺され、その報復を試みた兄パオロも始末され、更にはヴィトーの命だけはと懇願にチッチオに会いに行った母もやられ、ひとりきりになってしまう

 

村の人たちの計らいで移民船でニューヨークに着いたヴィトー少年は天然痘を患い、英語もわからない状態からスタートするも無事に成長し、結婚そして長男のソニーにも恵まれる

 

隣に住む同じイタリア系移民のクレメンザと窃盗を繰り返し、そこそこ良い暮らしができるようになった頃、地元ギャングのファヌッチから法外な(もちろん額によらず法外なのだけれど)みかじめ料を要求される

 

その場凌ぎの対応では先が無いと感じたヴィトーは、地元の祭りで街が騒がしい中、ひとりでファヌッチを暗殺する

 

 

 

前作での父・ヴィトーのように、マイケルは身内から依頼される「様々な面倒ごと」を、部下を使って解決していく

 

ヴィトーやマイケルは、これに加えて大局を見極める力も兼ね揃えていたから、大きな組織のトップに立つことができたけれど、世の中には前者のスキルだけでトップに就いている「社長さん」も多いのではないだろうか

 

今時、評価され難いスキルとはいえ(やり過ぎなければ)管理職に必要な能力ではあるだろうし、往年の日本の政治家はコレだけでやってきた?様な印象

 

 

PARTⅡは、こうした能力と貫禄を徐々に身に着けていくマイケルと、若き頃からその能力に長けていたヴィトーの姿に注目して観るのも楽しいけれど、兄からも相手にされず、父親の窮地に最低限の仕事さえできず、屈辱を味わうフレドに注目するのも面白い

 

そんな彼の力量を考えた上で任された(緩い)仕事ながら、無難にこなしてきたことでフレドなりの自信と反抗心が芽生え、後にファミリーを揺るがす愚行に走ってしまう

 

内部で競争する企業と違い、絆を絶対とするファミリーの弱みでもあり、冷酷と言われたマイケルでさえも絆を優先するあまり、フレドの処遇に判断を誤ってしまう

 

フレドが機能しないこともあって、いつまで経ってもマフィアの抗争から抜け出すことも、ケイと約束した「裏社会から足を洗うこと」も叶わず、その間にも最も大切なファミリーの絆が壊れていく

 

哀愁漂うニーノ・ロータの音楽をバックに、スーツでキメているマイケルではあるけれど、袋小路から抜け出せないままPARTⅢへと続く

 

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