無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

973. ダゲール街の人々

引用元:filmarks.com

 

パリのモンパルナス

 

フランスの西部や南部に行く列車のターミナル駅があるので、何度か行ったことはあるけれど、いつも早朝(そして夜戻って来る)なので街並みをちゃんと見たことが無い

 

 

アニエス・ヴァルダ監督は、モンパルナスにあるダゲール街(街というより「通り」)に暮らしていた(下図の青い点線 約600m)

 

 

幼い子供を抱えて撮影所やロケハンに行くことが叶わず、自宅兼事務所のあるダゲール街で、電源ケーブルが届く範囲で、行きつけの商店を撮影、店主らにインタビューしたドキュメンタリー

 

美容院、精肉店、パン屋、仕立て屋、香水を売っている雑貨屋、時計屋、自動車学校にアコーディオン教室、そして市内からこの街の人たちに芸を披露しにきた奇術師

 

彼らの多くは30-40年代にフランスの田舎町からパリにやって来て、学校などで手に職をつけてここに店を構えた

 

その経緯や、夫婦の馴れ初め、当時の暮らしぶりなど、リラックスした雰囲気でインタビューが続く

 

断続的なインタビューではありながら、それぞれの人柄がうかがえるコメント、そしてちょっとしたエピソードや単語レベルで他の店主に繋いだりするなど、さり気ない粋な構成で最後まで退屈しないし、ドキュメンタリーにありがちな堅苦しさもない

 

1975年当時の街とそこに暮らす人たちの様子がよくわかる

 

同じアプローチで今のダゲール街を収めた映像を観てみたい

(streetviewで歩いてみたけれど、今でも商店の連なる賑やかそうな通りだ)

 

 

 

明日は、愉快で魅力的で常識に捉われない自由な女性、という意味のタイトルの映画をご紹介

 

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