無人島シネマ

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974. パピチャ 未来へのランウェイ

引用元:Yahoo.co.jp

 

アルジェリアという国は8世紀にイスラム化、オスマン帝国の治下を経て1830年にフランス征服され、1962年に独立

 

国民の99%がイスラム教を信仰し、80%がアラブ人

 

フランス語は公用語ではないものの、今でも国民の1/3は日常的にフランス語を話すという

 

この映画で描かれている1990年代のアルジェリアは、政府軍とイスラム原理主義過激派の武装集団との内戦が続き、10万人を越える死者が出た

 

 

ファッションが大好きなネジュマ(リナ・クードリ)は、自らデザインした服をナイトクラブに集まる仲間に販売している

 

いつかはデザイナーとして世界を相手に仕事をしたいという大きな夢を持っていた

 

彼女は、自らデザインしたドレスを友人たちに着せて住んでいる学生寮の中でランウェイを行う計画を練っていたが、時勢は悪化する一方で、通りには「女性はヒジャブを着用するように」というポスターが貼られ、バスの中でも着用を強制される様になる

 

 

 

 

監督は、アルジェリアで17歳まで暮らしたムニア・メドゥール

 

本作が長編デビューながら、それを感じさせない完成度

 

タイトルになった「パピチャ」とは、愉快で魅力的で常識に捉われない自由な女性を表すということだけれど、その常識が如何に異常なものかは本作を観ればよくわかる

 

そういった意味で、日本(語)で言う「お転婆」とはニュアンスが随分違うのだろう

 

 

若者のエネルギーを「青臭さ」と捉えてしまう方なので、普段はあまり思わないけれど、厳しい状況にも諦めない「若者のエネルギーって素晴らしいな」と率直に思ったし、それにしても90年代(ついこの前だ)においても極度な男尊女卑がまかり通っているアルジェリア社会に驚いた そしてどんなに危険で未来さえ危うくても育った土地を離れたくない人の強い思いを感じた

 

 

明日は、釧路のラブホテルが舞台の映画をご紹介

 

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