無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

970. ベトナムを懐(おも)う

引用元:atims.info

アメリカに暮らす三世代に亘るベトナム人家族の断絶を描いた作品

 

20年前に多くのベトナム人に感動を与えた舞台の映画化

 

監督のグエン・クワン・ズン曰く「70%は脚本に忠実に」作られたもの

 

 

 

 

1995年、冬のニューヨーク

 

老人ホームを無断で抜け出して、雪の中を何とか家に辿り着いたトゥー(ホアイ・リン)

 

年老いて妻に先立たれ、その遺言に従ってベトナムの自然豊かな農村から息子家族の住むニューヨークに移住したものの、言葉も通じず楽しみも無い施設での生活には限界があった

 

ボートピープルとして国外に逃れた息子グエンが住んでいるニューヨークの家に帰っても、グエンは働きづめで家を留守にし、アメリカで生まれ育った孫娘タムとは習慣も価値観も合わず口論が絶えない

 

ついには、亡き妻ウットの命日と、タムの彼氏ハリーの誕生日が重なっている日に、彼氏の為に焼いたケーキを横取りされたタムの怒りが爆発してしまう

 

 

 

 

どんな映画にもストーリーは存在するけれど、これぞ物語というインパク

 

「(古い価値観ばかり強引に押し付ける)お祖父さんより私が悪いの?」

 

と問うタムに対して、父グエンの

 

「お前もお祖父さんも悪くない、悪いのは私だ」

 

という返答が胸にズシンと響いた

 

 

アメリカでもヨーロッパでも多くのベトナム人が活躍している(名前が特徴的なのでわかり易い)

 

中には企業の幹部や弁護士などになっている人もいるくらいだから、よく言われる様に勤勉なのだろう

 

 

こういう世代のギャップを描いた映画を観ると、自分の年齢に近いキャラクターの味方をしてしまうことがあるけれど、本作ではそうした感覚とは異なる、俯瞰して観られる普遍性を感じる

 

 

明日は、「二番じゃダメ」な映画をご紹介

 

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