引用元:transformer
実話に基づいたフランスの法廷劇
タイトルのサントメールとは、フランス北部にある街の名前
作家であるラマ(カイジ・カガメ)は、取材対象としてある裁判の傍聴にこの街を訪れる
被告ロランス(ガラスジー・マランダ)は、生後15か月の娘を海辺に置き去りにし、死亡させた容疑で逮捕されていた
セネガルで生まれ育った後に、フランスに留学し、流暢なフランス語を話すこの若い母親が、何故非道な犯行に及んだのか
彼女は罪を認めてはいるものの、その動機や経緯の説明に不透明で曖昧な部分も多く、法廷内には不穏な空気が流れる中、亡くなった娘の父親にあたるフランス人男性や、ロランスの母親らが証言台に立つ
気になったのは、終始被告が流暢なフランス語を話すことが取り上げられたこと
「セネガルで育ったのに」とでも言いたげな上流意識が、人を裁くという(必要とされる職業であるとはいえ)考え方によっては何とも傲慢な行為に関与している裁判長や弁護士から滲み出ている
また呪術についての浅薄で一方的な考えにも唖然としてしまうけれど、如何にもありそうな話(この辺りも実話通りなのかは不明)
フランスで作られた作品だけに、監督以下、スタッフにその自覚があるのか気になったけれど、監督自身がセネガル出身と聞き納得
本人もさぞ苦い経験を積んできたのだろう
カイジ・カガメ、ガラスジー・マランダのふたりの、多くは語らないものの、雰囲気のある演技に引き込まれてしまった
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