引用元:amazon.co.jp
2016年のフランス・ドイツ・ポルトガル映画
ヴィム・ヴェンダース監督が「100%思いのままに撮った生涯で初めての映画」
と言い、ルー・リードの「パーフェクト・デイ」で映画が始まる
パリの街を見下ろす高台にある木陰のテラスで、ある夏の日の午後に男女が繰り広げる会話を中心(ほぼそれのみ)にストーリーが展開していく
(風も当たらないし匂いもしないけれど)その場に居るような気分に浸れる素晴らしい映像
会話が哲学的過ぎて、慣れるまで少し時間がかかるけれど、ふたりの考え方、相手の言葉への返し方、そしてフランス語の響き、、、すべてが揃って醸し出される世界は(自分の感覚や価値観からかけ離れてはいるせいか)新鮮で楽しい
こうした「議論」とも「会話」とも異なるやりとりは、禅問答に近いのかもしれない
そう思うと「真理に慌てて到着しようとしない」とか「具体的なものに置き換えたり、比較して、理解のスピードを上げようとしない」など、やりとりを進める上でのコツのようなものを感覚的に理解できそうな気がする
思考力はもちろん、語彙や表現力も試されるけれど、潜在的に意地悪な性格の人に向いているのでは?と思ってしまう
ちなみにスペインのアランフェスは、男が訪れた場所として会話の中に登場するのみ
マドリッドから南に約50kmの位置にある、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」で知られる小さな町
マドリッドに住む同僚が、車で連れて行ってくれたことがあるけれど、スペインらしい赤土色をした宮殿と、美しい庭園(スペイン黄金時代には、世界中から取り寄せた植物が栽培されていた)素晴らしかった