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ナポリに住む老人ロレンツォ(レナート・カルペンティエリ)
かつては腕利きの弁護士ながら、正義感溢れる働きは(弁護士としては)周囲に敵を作ることも多く、今でも関係者の周りでは有名人だった
昔は家族で暮らしていた広いアパートに今は一人暮らし
シングルマザーの娘エレナ(ジョバンナ・メッソジョルノ)とも、クラブで働いている息子のサヴェリオ(アルトゥーロ・ムセッリ)とも不仲で、妻は数年前に亡くなっている
父に対し、息子はずっと「愛されなかった」と信じ、娘は今でも「許せない」と思いながらも嫌いきれない複雑な想いを抱えている
ある日、ロレンツォは向かいの部屋のドアの前に座り込んでいる女性ミケーラ(ミカエラ・ラマッツォッティ)に声を掛ける
家族と共に最近越して来たばかりのミケーラは、鍵を持たずに部屋を出てしまい家族の帰りを待っていたらしく、部屋同士がバルコニーで繋がっているロレンツォは、そんな彼女を自宅に招き、バルコニーに通してやる
自分とは対照的に、うっかり者だけど人の良いミケーラと、家族とは一切そうしたことができなかったロレンツォは、次第に心を通わせていく
チラとしか説明しない(或いはまったくしない)シーンに、強く訴えかけてくるものがあるけれど、それが「お節介な解説を削ぎ落した」と好意的に受け止められる作品
観終わってからしばらく呆然としてしまった
崩壊しかけの家族の姿から、いろいろ考えさせられる
そして娘と父親の演技に、何度かハッとさせられてしまう
これから監督を含めた三人の過去作品を辿ってみたいと思う
明日は、大好きなポール・ダノ主演作品をご紹介