引用元:filmarks.com
1989年のフランス映画
仕立て屋の男、イール(ミシェル・ブラン)は少し偏屈で他人とのかかわりを嫌っている
周囲は彼以上に嫌っているせいでいつもひとり、仕立て屋の仕事に専念している
そんな彼の楽しみはボーリングと向かいの部屋に住んでいる女性アリス(サンドリーヌ・ボネール)を覗き見ること
毎晩アリスを覗いていたイールは、アリスに恋人が存在することも知っていたけれど、それでも彼女に恋していた
ある夜、そんなイールの知られてはならない行動がアリスに見つかってしまう
最初は気味悪がるアリスだったが、ある思惑から彼女はイールに近づいていく
孤独な中年男性が主役のほのぼのとした話なのかと思っていたら、意外な展開で最後の最後まで飽きさせない
マイケル・ナイマンの音楽も素晴らしく、想像していたよりも完成された作品だった(デジタル・リマスターされるはずだ)
遠目に覗かれている美しい女性という印象から、近距離で人間らしさを感じさせる良くも悪くも肉感的な女性に変化していくアリス役のサンドリーヌ・ボネールの演技が印象的
イールがアリスを見ていたのは覗きというよりも「眺めている」風で、いやらしさは感じられないけれど、見られる側にとっては通用しない話
対面するアパートの少し上の階から覗かれてしまう、というのはパリに限った話でもないし、コロナ禍で在宅時間が増えてからはこうした問題も多いのだろうか
明日は、ナポリに住む老人が主人公の作品を紹介します