引用元:filmarks.com
2014年の作品
東日本大震災から3年
福島で代々農業を営んできた沢田家
自宅が立ち入り禁止区域に指定されてしまい、総一(内野聖陽)は妻の美佐(安藤サクラ)、継母登美子(田中裕子)、幼い娘菜穂(志村美空)と四人で仮設住宅に住んでいる
与えられた環境で耐えている女性三人に対して、いつまでも喪失感から抜け出せない不満を吐き出している総一
狭い部屋の中でも、つい些細なことで口論になってしまう
そんな中、10年以上も前に「ある事情」で、村を捨てて出て行った腹違いの弟次郎(松山ケンイチ)が戻ってきて、(立ち入り禁止の)実家にひとりで住んでいるらしい、という情報が入ってくる
序盤は方言が聞き取りにくいのと映像が暗いせいで、内容を追いかけるのに疲れてしまった
もちろん台詞は福島弁であって欲しいし、立ち入り禁止区域で電気も止められている状況を再現していることは重々承知しているけれど、せめて聞き取らせることを意識して喋らせるとか、暗闇のシーンでも映画作品としてリアリティ以上の明るさを自然に見せる、という工夫の無さに「作り手のエゴ」を感じた
オープニングでも、明るい背景の上に小さな白い字でテロップが流れていて、嫌な予感がしたけれど、残念ながらその予感は当たってしまう
エンドロールで流れるSalyuの曲についても、作品の余韻に浸っていたところ、異物感があった
監督デビュー作ということで、これらの不自然さが解消されれば、印象はガラリと変わるかも
一方で、原発事故の影響を受けた家族の生活を、驚きの事実を無理に挿入することなく、日々の生活をベースに高揚するラストシーンまで描いているところには、強い(支持したいと思わせる)意図が感じられる
明日は、ジョン・レノンの曲で始まる映画をご紹介