無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

795. 雨にぬれた舗道

 

週末の朝、高田馬場にある早稲田松竹まで、「ロバート・アルトマン監督特集」を観に行く

 

このミニシアターは、ずっと行こうと思いながら、タイミングが合わず、今回ようやく念願叶った

 

いつも面白い作品を、公開から少し(或いは随分)遅れて、二本立て上映してくれる、有難い映画館

 

 

1951年、松竹系の封切館としてスタートしたという歴史のある劇場ながら、メンテナンスもしっかりされており、館内は意外に(失礼)綺麗で、座席も心地良く、最前列でも端っこの席でも観易そう

 

二本立ての料金は、一般で1,300円

 

 

 

 

バンクーバーにある自宅に、暮らしている女性フランセス(サンディ・デニス)

 

両親を亡くす前からお世話になっている、お手伝いさんが週に数回来る以外は、まったくのひとりぼっち

 

スポーツクラブで一緒に汗をかいたり、食事に行ったりする仲間はみな、自身より随分年配な男女だった

 

 

ある日、彼らを自宅に招いてささやかなパーティを開くも、あまりの予定調和な会話に、フランセスは退屈していた

 

それよりも、パーティが始める前から、窓から見える公園のベンチに座っている青年が気になっていた

 

というのも、寒空の下で震えているように見えたが、やがて雨が降り出してきたのだった

 

 

お開きの時間になり、フランセスに好意を寄せている老紳士のしつこい誘いも何とか断って、皆が帰路に就いてから、その青年(マイケル・バーンズ)に「雨が止むまでウチに来るといい」と声を掛ける

 

言葉が通じないのか、耳が悪いのか、フランセスの問いかけにまったく応じない青年

 

それでもフランセスは、彼を風呂に入れ、食事を与える

 

 

 

 

長い映画ではないのだけれど、終盤まで「面白い展開だけど、この先どうなるんだろう?」という、話の展開というよりは、ラブストーリーなのか、ミステリーなのか、或いはホラーなのか(ジャンルには執着しないつもりではあるけれど)宙ぶらりんな感覚のまま、終盤に

 

 

ナッシュビル」、「ビッグ・アメリカン」とは違ったロバート・アルトマンの作風に、翻弄されてしまった

 

特にラストの急展開には、置いていかれた感があり、座席を立って10秒くらいで早稲田通りに出られることもあって、一瞬クラクラしてしまった

 

 

明日は、続けて観たロバート・アルトマン監督作品をご紹介

 

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