無人島シネマ

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754. 約束の地、メンフィス ~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー

引用元:amazon.co.jp

京都のミニシアター行脚も終え、夜は老舗ライブハウス磔磔(たくたく)に

 

磔磔の106周年ということで、憂歌団木村充揮上田正樹有山じゅんじなどの豪華ラインナップ

 

 

懐かしい曲で大いに盛り上がる中、フランキー・ミラー(オリジナルはアラン・トゥーサン)の"Brickyard Blues (Play Something Sweet)"や、エディ・フロイドの"Knock on Wood"など、ソウルの名曲のカバーを挟んだ時の、「おっ、そう来るんかぁ」的な、観客の反応に、ステージの上も下も、同じようにソウルをずっと聴いて来たことを感じさせる、緩くて濃い一体感のある、何とも磔磔らしいライブだった

 

これまで海外含め、いろんな会場でライブを楽しんで来たけれど、磔磔より好きな場所は思いつかない

 

 

 

本作は、ソウルミュージックの故郷、メンフィスが舞台のドキュメンタリー映画

 

ブッカー・T・ジョーンズや、ボビー・ブランド、メイヴィス・ステイプルズ、ウィリアム・ベルオーティス・クレイら、ソウルの重鎮、そしてスヌープ・ドッグというヒップ・ホップのスターらが、地元の新人ミュージシャン、アマチュアの学生らと一緒にスタジオでセッションする様子が収められている

 

「ブルースやソウルの世界では、40代や50代はまだ子供」

 

という、昔気質なフレーズそのままな環境でもありながらも、若者へのリスペクトが感じられ、フレンドリーな空気をベテランミュージシャンたちが醸している

 

地元への恩返しという側面もあるのかもしれないし、そうしていかないと廃れてしまうという危機感もあるのかもしれない

 

特に、レジェンドと若者の間で動いている、30-40代のミュージシャンやスタッフたちには、「世代の橋渡しをしなきゃ」という意識が強く感じられた

 

残念ながら、ボビー・ブランドは2013年に、オーティス・クレイは翌2014年に亡くなってしまったけれど、最後にこうした活動ができたのは、本人含め皆にとって素晴らしいことだったのだろう

 

 

60年代当時から、人種も年代も関係なく集まった、ソウルミュージックを愛するミュージシャンやとスタッフによって生み出された名曲の数々

 

映画の後半では、公民権運動が激化した時代の難しさなどについても触れられているけれど、スタジオの中は(まるで桃源郷のように)世俗とはかけ離れた世界だったという

 

メンフィスには、こうした独特の風土や環境、スタジオの施設、そしてスタッフやミュージシャンが絶えない「約束の地」であり続けるのだろうなあ

 

 

 

明日は、大物女優二人が主演のアメリカ映画をご紹介

 

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