無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

639. 贅沢な骨

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引用元:filmarks.com

 

2001年、行定監督作品

 

同居するミヤコ(麻生久美子)とサキコ(つぐみ)、そしてふたりの間に自然に入ってくる新谷(永瀬正敏)の関係を描く作品

 

この三人以外はほとんど登場しないし、ストーリーにも絡まないから、多数の登場人物を覚えるのが苦手なひとにはちょうど良いかも

 

その分、三人の心情に集中して鑑賞できるのと、鑑賞後にミヤコとサキコの関係性について(じっくりと)考えることを楽しめる

 

 

 

ミヤコとサキコは、プラトニックながら、お互いに好意を持って同居している

 

ホテトル嬢として二人分の生活費を稼いでいるミヤコに対して、サキコは申し訳ない気持ちを抱えている

 

抱えてはいるけれど、ミヤコからの

 

「(自分は不感症だから、この仕事が苦にならない)だから気にしなくて良いよ」

 

という言葉に甘えて、日がな一日、アパートの屋上でぼんやり過ごしている

 

そんなある日、ミヤコは客として店に来た新谷という男で初めて快感を知り、それからはプライベートで会うようになる

 

次第に、サキコと三人で過ごす時間も増え、三人はそれぞれの距離感を考えながら過ごし、ミヤコとサキコの関係にも変化が生まれてくる

 

 

 

それまで一緒に仲良く暮らしてきたふたりの女性の間に、ひとりの男が入ってくることで(たとえそれが新谷という、ふたりにとって受け入れやすいタイプの男性だったにせよ)大袈裟に言えば、朝から晩までの行動に変化が求められる(或いは変化が必要かどうかを改めて考えさせられる)

 

新谷が来るまでは向き合う必要も無かった「ふたりの気持ちの確認」にも迫られ、ミヤコに至っては、自ら蒔いた種だというのに、その変化に翻弄され自分を見失ってしまう

 

 

無機質な演技の効果か、永瀬正敏の印象のせいか、話の内容の割には不潔な印象はない 

 

 

 

明日は、マーロン・ブランドヴィヴィアン・リー主演の、あの作品をご紹介