引用元:amazon.co.jp
強烈なイメージがまだ抜けきらないので、ホラー映画ではないけれど彼女が同じくらい強烈なキャラクターを演じている本作を
2002年のアメリカ映画
「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」を撮ったアレクサンダー・ペインの監督作品
66歳のウォーレン・シュミット(ジャック・ニコルソン)は、大手の保険会社を無事に勤め上げ、定年退職したばかり
仕事で何かを成し遂げたわけでも、後輩を育成したわけでも、またプライベートが充実していたわけでも、家族と強い絆を築いてきたわけでもないウォーレンは、急に虚無感に襲われ、CMで見たアフリカの子供の支援プログラムに参加する
6歳のンドゥという少年の養父になり、寄付だけでなく(プログラムで推奨されている通り)身の回りのことを手紙に書いて送るようになる
家族や身の回りのことについて書くうちに、如何に現状に満足していないかを自覚するウォーレン
そんな矢先、いまひとつ折り合いの悪かった妻のヘレンが急死してしまう
遺品の整理をしていると、唯一の親友レイがヘレンに宛てて書いた手紙から、ふたりが過去に浮気していたことを知る
そしてウォーレンは(今や自分にとって唯一の財産だと再認識していた)親友まで失った気持ちになる
こんな状況の中でも生きる意味を考えたウォーレンは、もうすぐ結婚する一人娘ジーニー(ホープ・デイヴィス)の為に式の準備を手伝おうと、彼女が住むコロラドに向かう
ところが、婚約相手のランドール(ダーモット・マルロニー)や彼の母親ロバータ(キャシー・ベイツ)に会って話すうちにどうしても相容れないものを感じ、ジーニーに結婚を取りやめるよう説得する
いわゆる「仕事一筋の偏屈男が引退した途端、生き難さを感じる」お話し(邦画でも「体操しようよ」などこのテーマを扱っている作品は多い)
観る人たちが、主人公のジャック・ニコルソンの心情に寄り添えるように、婚約相手の親子のふたりが演じている「ちょっと違う人たち」感が素晴らしい
ちょっとだけ(でもないか)下品で、無学で、初対面でもズケズケ入り込んで来て、「こういうタイプの人(家族)とは親しくなりたくないなあ」と思う要素を兼ねそろえている
またそんな人たちに混じって生活し、籍まで入れようとしている娘
そんな娘を黙って見ていることができず「良かれと思って」意見すればするほど孤立していく父親
神経質になり過ぎているのかもしれない
もう若くはない娘に意見するのは控えたるべきかもしれない
ましてこれまで父親らしいことをしてこなかった自分が
という父親の苦悩が嫌という程伝わってくる