大学時代に夫と付き合っていた稲村恵美(市川由衣)、会社の同僚だった渡辺(眞島秀和)、妻の友希恵(松本若菜)と大学時代一緒に過ごしていた宮村(臼田あさ美)、元彼の尾形(中村倫也
 
しかし彼らの証言から浮かび上がってくる田向夫妻の姿は当初のイメージとは異なるかなりブラックなものだった
 
 
 
複数の関係者の証言が交差しながらストーリーが進んでいく展開に、後半まで構成が見えないままついて行くしかなく、また会話が噛み合わなかったり表現に棘があったりするモヤモヤをずっと抱えながらラストを迎える
 
大事な部分を敢えて描かなかったり断片だけを演者に証言させたりすることで観る側に考えさせる練られた構成の中、ヒリヒリする様な会話や独白で独特の世界観を表現していく俳優陣に感心させられる
 
 
音楽も印象的
 
前述の都営バスのシーンでも、重苦しいストリングスの旋律が不穏な先行きを暗示しているかのよう
 
大間々昴(おおままたかし)という人が(他の映画作品では「予告犯」「彼女がその名を知らない鳥たち」など)担当している