「新宿泥棒日記」について書く前に少しだけ
以前「フィールド・オブ・ドリームス 」で触れた、トウモロコシ畑のある野球場で行われる予定のメジャーリーグの試合は日本時間の今朝(8月13日午前8時)から
BSや地上波での生放送は残念ながら無いみたいだけれど後でもいいから映像を確認したい
引用元:art-museum.fcs.ed.jp
もうひとつ続けて1969年の作品を
夏の新宿、紀伊国屋書店の中をウロウロしている青年(横尾忠則)が本を万引きする
こっそりと店の外に出たところを女(横山リエ)に手を掴まれてしまう
紀伊国屋の店員だという彼女は、そのまま青年を社長室に連れて行く
社長の田辺(田辺茂一、本人役)の前に突き出すと、青年は謝罪するどころか
「明日再び万引きする」
と予告する
そして翌日、青年は同じように万引きして再び社長室に連行されるも、社長は自分が書いて売れ残っていた著書を進呈し、女に「万引き犯をいちいちココに連れてこなくて良いから」と伝える
ニューヨーク時間、グリニッジ標準時間、など日本と海外を並べてグローバルを意識した表現や、飲み屋で延々と続くセックス談義、花園神社の境内で唐十郎率いる状況劇場の演出が繰り返されたり、当時は「前衛的」という大きな括りで捉えられ且つそういうアプローチを寛大に受け入れてくれる世の中だったことがわかる
それほど「若者が反発するのも無理もない」という上の世代からの押し付けによる行き詰まり感が共通認識されていたのだろうか
これらの試みの中には商業作品としては粗いものもあるし今の基準では認可が難しいものあるけれど、作品が公開、支持された当時の社会は(ルールが整備されていなかったからという理由だけではなく)寛容さがあったのだろう
女が青年から胸に傷があることを指摘されるシーンがある
「通り魔から背中を刺された」
と返す女の台詞は、咄嗟にアドリブが出た横山リエの実体験(山形から上京してすぐに 通り魔に襲われ瀕死の重傷を負ったという)
そんな衝撃的な出来事はごく一部の人にしか起こらなかったと常識的に理解はしていても「何て刺激的な時代だったのだろうか」という感想が何よりも先に浮かぶ