無人島シネマ

忘れてしまうには惜しい映画 および雑記

119. 華氏119

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2018年のアメリカ映画

 

タイトルは、マイケル・ムーア監督が、アメリ同時多発テロの際のブッシュ大統領の対応を批判した、2004年の「華氏911」にちなみ、トランプがヒラリーを破って勝利宣言した11月9日から数字を拾ったもの

 

数字の前に華氏が付くのは、レイ・ブラッドベリSF小説華氏451度」をもじっていて、本作の原題も ↑ のポスターに書かれているように「FAHRENHEIT 11/9」と数字にはスラッシュが入る

 

 

トランプに対してはもちろん否定的ではありながらも、本作での焦点は、

 

「なぜこんな愚かなことが起こってしまったのか?」

 

というもので、アメリカの選挙制度の問題点や、結果としてトランプを選択してしまった(自身を含めた)アメリカ国民への批判、反省を試みている

 

 

 

本作に登場する「トランプ支持者」の話を聞いていると、自分たちの理屈は辛うじて通っていても、やはり利己的であることは否定できないし、社会全体を考える責任は最初から放棄している風に見える

 

「今さえ良ければ」、「オラが村さえ良ければ」である

 

観ているウチに「トランプのような社長や上司が世の中には結構居そうだな」とか、「こういう上司とうまくやれる部下は存在するだろうし、言うことを聞く部下を重用する上司との相性は抜群だろうなあ」とか、すっかり会社の話に置き換え考えてしまった

 

こうした関係はどこにでも存在するし、上司の暴走加減、ブラック加減が一線を越えなければ一定期間有効に機能するとも思う

 

実際のところ、経済的に余裕がなくなってきたアメリカ人の心の中に

 

「目先の暮らし向きが良くなればいいな」

 

という理由で、支持したり、支持しないまでも積極的に非難しなかったりした「心の隙」が生まれたことは否定できない

 

あやうく二期目に入るところだったから「心の隙」というのは余りにも控え目な表現だけれど、問題だったのは上司の暴走加減が最初から一線を越えていたこと

 

会社との違いは、アメリカ国民の場合は上司を選択できることなのに、、、

 

 

 

どの国にも「隙」や「闇」はあるし、日本も例外ではないけれど、こうした危うさに関してはアメリカは群を抜いている気がしてならない

 

もしもトランプの表現方法がもう少し上品で穏やかだったら、、、もっと多くの国民に(しかもより長い期間)支持されていたかもしれないと思うと、改めて大衆心理の恐ろしさを感じる