引用元:Yahoo!映画
2016年公開のアメリカ映画
アカデミー作品賞(一旦は「ラ・ラ・ランド」と発表されたことで)として記憶に新しい
ひとりの黒人男性の人生を少年期、思春期、青年期とそれぞれ別の俳優を使って描いた作品
内気なシャロンは学校でオカマとからかわれ、毎日イジメられていた
貧しい母子家庭で、母親はクスリに逃避して働くこともしない
そんな苦しい毎日を過ごすシャロンにとって、救いは唯一の友人、ケヴィンの存在
ある夜、月明かりの下でふたりはマリファナを吸った後にキスをする
一方、学校では辛い日々が続いていて、いじめっ子グループに命令されたケヴィンがシャロンを殴り続け、途中から他の連中も取り囲んでシャロンを蹴るという悲惨な出来事が起こってしまう
駆け付けた警備員にもシャロンは暴行した生徒の名前は言わなかったが、翌朝連中のリーダーの背中を椅子で殴り、警察に捕まってしまう
重苦しく、救いのない展開
狭苦しいコミュニティーの中で浮かばれない生活を続けているのに、不思議と根拠のない希望が感じられ、暗い気分にはならい(この不思議な明るさがタイトルにも意味されているのだろうか?)
人種、ドラッグ、ゲイ、貧困などがイジメが直結しているという理解もできるけれど、そうではない少年にも(程度の差こそあれ)起こり得る話として共感できる
アカデミー賞に輝いたのはLGBT問題が注目されるようになった時勢もあるだろう
約10年前に公開された「ブロークバック・マウンテン」(2005年)は(アカデミー作品賞としては)ノミネート止まり
そもそも賞自体が作品の優劣でもないし、受賞するには時勢的な意味でのタイミングも大事なのだろう
もちろん受賞作は今後振り返られる機会に何度も恵まれるだろうけれど、本作については「ブロークバック・マウンテン」だけでなく同様テーマ作品も含めて思い出されるといいなと思う