引用元:Yahoo!映画
2015年のスペイン映画
舞台は1995年、停戦直後のバルカン半島
恐らくモデルになったのは、ユーゴスラビア紛争
そもそも、第一次大戦で敗れたオーストリア=ハンガリー帝国が解体され、後に「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国家」と言われるほどに多様性(と言えば聞こえはいいけれど)のある、ユーゴスラビア王国が誕生した
当事者たちにしてみれば、「そもそもスタートから無理があった」ということなのであろう
国境なき水と衛生管理団でリーダーを務めているマンブルゥ(ベニチオ・デル・トロ)らは、井戸に投げ込まれた男性の死体をロープで引き揚げようとするも、水を含んだ太った男性の死体は重く、ロープが切れてしまう
誰が何の目的で死体を投げ込んだのか?
代わりのロープを探すも、店に行っては謎の理由で断られ、現地の少年が薦める場所に行っては、手頃なロープはあるものの狂犬に繋がれていたりして入手は困難を極める
そうこうしているウチに、水をバケツ一杯6ドルで売る者まで出てくる始末
最後には首つり自殺に使われたロープにまで手を伸ばし、再度死体の引き上げを試みるも、作業の途中に国連から「(死体を引き上げるのは)違法行為」だとして止められてしまう
バルカン半島の詳しい場所は明らかにされていないけれど、車の移動は崖に沿っているガードレールの無い道が多く、(しかも地雷が仕掛けられて場所もあって)観ているだけで(普通に移動するだけのシーンでも)ヒヤヒヤする
フェルナンド・レオン・デ・アラノアという'68年生まれのスペイン人監督で、本作以外の作品は簡単に観られなさそうだけれど、注目しておきたい
原題は「A Perfect Day」
隊員たちの心情的には、死体と国連と検問に翻弄されて「ったく、とんでもない一日だ!」というニュアンスを皮肉ったものか
作品としては、バルカン半島の風景、停戦区域の生活、隊員たちの仕事ぶり、そしてベニチオ・デル・トロの、普段とは少し趣の異なったコミカルな演技が堪能できるパーフェクトな(これは通常の意味で)内容
明日は、最近は毎朝、半生を振り返っている女優の出演作をご紹介