引用元:GYAO!ストア
2020年のベルギー映画
作品紹介では「コメディ」と書かれていたけれど、欧州基準というか、思っていたよりもヘヴィな内容
アレックスとノエミは30代のカップル
家を建てるお金も少しではあるけれど貯めているし、そろそろ子どもを作ろうかという幸せな時期
ところが最近アレックスの母、スザンヌの様子がおかしい
複数の銀行口座がマイナス残高になるほど浪費したり、夜中に近所を徘徊してサンドウィッチを欲しがったり
「意味性認知症」と診断されたスザンヌの症状は確実に進み、すべてを差し置いて介護を優先しようとするアレックスと、とはいえ自分たちの生活とのバランスも大事と考えるノミエとの間にも深い溝が生まれだす
こうしたテーマの映画作品は他にもあるけれど、カウンセリング・シーンの定型的な挟み方や、色使い、そしてカット割り、そして服装や自宅の内装などの程良い美しさが、内容の重さと絶妙にバランスしていて新鮮な印象
特に通いのヘルパーさんを雇うために3、4人の候補者と面談するシーンで、自分たちが必要としているサポートを得ようとその場に臨んでいるアレックスとノミエが、一家言を持つ候補者たちに気圧されてしまうのには、この問題の難しさと、それに対処しようとする人たちの葛藤がリアリティを持って伝わって来る
両監督による長編デビュー作、ということに驚かされるし、次の作品が楽しみ
明日は、なかなかよくデキたショートムービーをご紹介